ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

カウンセラーやコンサルタントの注意点

2020年12月11日

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mohamed HassanによるPixabayからの画像

 

前回の記事で、新使徒運動を支持する教会に「預言する方法」や「癒される方法」を教えているところがあると書きましたが、それだけでは何が問題か分からない人も多いと思います。

 

実際に、そこで行われる「預言」を受けて「癒し」を経験する人がいるなら、別にかまわないじゃないか? 信者や相談者が満足しているなら、ソッとしておけばいいじゃないか? そう感じるところもあるでしょう。

 

そこで現在、社会問題になりつつあるカウンセリング、メンタルケア、ヒーリングの方法を教えているセミナーや研修会と比較しながら、何が問題かを簡単に整理したいと思います。

 

最近では、「カウンセラー」「セラピスト」「コンサルタント」「トレーナー」「コーチ」「○○認定講師」といった肩書を持つ人をSNS上でたくさん見ることができます。おそらく、こういった名前を見ると、何かしらの訓練を受けて、特別な手法を扱うことができる人だと思うでしょう。

 

けれども、こういった人たちが《セミナー》《セッション》《お茶会》《○○カフェ》といった集会を開いて、人を集めようとしているときには注意が必要です。

 

なぜなら、これらはどれも定義が曖昧な肩書で、(現時点での法律では)誰でも自称することができ、十分な知識や訓練を積んでいなくても、集まった人にアドバイスや指導をすることができてしまうからです。

 

中には、十分検証されていない方法で心理的、医学的、経済的、教育的アドバイスを行っている人もいます。科学的にも倫理的にも問題があるやり方で、みんなの「先生」として金銭や評価を受けてしまうのです。

 

その多くは、自己啓発セミナー、認定講師セミナー、情報商材などの資格商法を通して輩出された人間です。騙されて受講した被害者が、自らも加害者になってしまいます。

 

健全なカウンセラーやコンサルタントは、その分野の学科を数年かけて修了し、実習で訓練を積み、信頼できる学会などに所属して、継続的に研修を受けています。しかし、数日〜数週間で高額の「資格」を取らせてしまう民間団体もあるのです。

 

中には、看護師、栄養士、幼稚園教諭など別の資格を持つ者が、アロマ、食事療法、性教育など「近い分野」に見える資格を取っていくがゆえに、信頼してしまう人もいます。

 

けれども、実際には疑似科学やスピリチュアル、オカルトの要素を含んだ再現性のないやり方で、「こうすれば上手くいく」と教えている場合が多々あります。

 

彼らのほとんどは、自分はちゃんと訓練を受けたと思い込み、十分な知識があると信じていますが、そのままいくと、効果のない方法や間違ったやり方で、精神的・身体的・経済的被害を出してしまいます。

 

また、表立った被害は出なくても、高額なセミナーや商材を購入したにもかかわらず、人を上手く集められず、借金を背負ってしまう人もいます。「正しい」と信じた方法で被害者を出してしまい、法的な責任を問われる人もいます。

 

こうした「技術」や「療法」に関して教えるよ……という誘われた場合は、たとえ公民館や市町村、学校などの公的な場でのイベントであっても、調べることをおろそかにしてはいけません。少しでも怪しければ、誰かに相談する必要があります。

 

キリスト教会で「預言する方法」「癒される方法」を教えている団体も、同様の問題を抱えています。なぜなら、「教えられた方法を使えば正しく物事を解決できる!」と信じてしまった人たちによって、他の選択肢や解決策が否定され、本来受けるべき治療やサポートを受けなくなってしまう要因になるからです。

 

そして、現在行われている「預言」や「癒し」は検証不十分なもので、ある人に言われたとおりのことが起きたとしても、それを誰にでも当てはめて良いわけではありません。民間資格のカウンセラーがそれっぽくカウンセリングをできるように、自称「預言者」がそれっぽく預言や癒しを行うことは難しくないからです。

 

私は、基本的に「◯◯できる」「◯◯できるようになる」と安易に謳っているところは信頼できないと考えています。本当に真摯に、心と体と魂の問題に向き合っている人たちは、医者でも、カウンセラーでも、牧師でも、神に代わってその人の現実を決定づけることはできないと身に染みて感じていくからです。

 

もし、自分の所属教会や、これから行こうとしている教会で「預言できること」「癒し/ヒーリングができること」を全面に押し出しているのであれば、ぜひ立ち止まっていただけると幸いです。本当にその宣伝・伝道は誠実か、社会問題化している運動と同じ過ちに陥ってないか……今こそ問うべきではないでしょうか?