ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『締め出された人へ』 マタイによる福音書2:1〜12

クリスマス礼拝 2020年12月27日


『締め出された人へ』日曜礼拝 2020年12月27日

 

案 内

礼拝前に感染症対策についてアナウンスがあります。寒くなってきたので、礼拝の中で3度、最初の讃美歌と、交読文と、メッセージ後の讃美歌の間、会堂の窓を開放し、換気の時間を作ります。後ろにいる方は窓の開閉にご協力ください。

 

また、室内の人数が16名を超えた場合は、体に無理のない方、目や耳が悪くない方に、ロビーや3階集会室、2階配信部屋への移動をお願いしています。ご協力どうぞよろしくお願いします。それでは前奏を聞いて、神様を礼拝する準備をしましょう。

 

招 詞

目を上げて、見渡すがよい。みな集い、あなたのもとに来る。息子たちは遠くから/娘たちは抱かれて、進んで来る。(イザヤ書60:4)

 

讃美歌

会堂の窓を開放しましょう。マスクをしたままで、旧讃美歌521番「イェスよ 心に宿りて」の1、4節を歌います。諸事情でマスクを外しておられる方は、飛沫感染を避けるため歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を味わいましょう。(*起立のジェスチャー)

 

お祈り

(*着席のジェスチャー)共に祈りを合わせましょう。

 

◆愛と平和の源である私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、日曜日の礼拝に集まることができ、感謝致します。どうか今、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの友なる神様。20日のクリスマス礼拝に続き、24日のイブ礼拝も、無事にみんなと迎えることができ、感謝致します。どうか今、嬉しい知らせを受け取ることが困難な人たちに、共に喜ぶ余裕と安心を与えてください。

◆私たちの母なる神様。2020年も、もうじき終わりを迎えます。今年も一日一日をあなたが導いてくださったことを感謝致します。どうか今、新しい年に向けて、清算するべきこと、評価するべきことと、向き合わせてください。

◆私たちの父なる神様。今日まで私たちの健康と安全を守り、様々な状況から回復してくださったことを感謝致します。どうか今、子どもたち、高齢者、様々なリスクを抱えた人たちが、事故や危険から守られるように、必要な道を歩ませてください。

◆癒しと正義と変化をもたらす、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。マタイによる福音書2:1〜12(新共同訳より抜粋)

*当ブログ全体における聖書の引用を適切な範囲内で行うため、後ほど聖書箇所のみ記載し、本文をカットすることがあります。後からご覧になる方は、該当する聖書箇所を日本聖書協会の「聖書本文検索」か、手元に新共同訳聖書がある方はそちらからお読みください。

www.bible.or.jp

 

交読文

会堂の窓を開放して、聖書の言葉を読み交わしましょう。詩編27:1〜6

(*起立のジェスチャー)

お手元のプログラムの裏をご覧ください。司会と会衆で交互に読んでいきますので、会衆の方は、一段下がったところと太字のところをお読みください。(新共同訳より)

 

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Josep Monter MartinezによるPixabayからの画像

メッセージ

24日のクリスマス・イブ、実は複数の人から「自分の教会でキャンドル・サービスが中止になったので、そちらの配信を見に行ってもいいか?」と問い合わせがありました。中には、配信ではなく直接来られる方もいて、多くの教会が礼拝をできなかった、あるいは牧師だけ、役員だけの礼拝になったことをお聞きしました。

 

皆さんの中にも、感染のリスクを避けて、家族に気を遣って、教会へ入れなかった人がいるでしょう。配信も見方が分からなくて、あるいは忘れてしまって、リアルタイムで見られなかった人がいるでしょう。いつもならこの時間、みんなと一緒にキャンドルかペンライトを持って歌っているのに、今年は一人、途方に暮れている。

 

そう、2020年のクリスマスは、けっこう多くの人が締め出された夜でした。教会からも、家族からも、ネットからも締め出され、ポツンとたたずむ人たちがいた。感染症の発症者数が日に日に増え、オンラインについていけない人が置いていかれ、過ごしたい場所で過ごせない人が大勢いた。

 

まるで、2000年前の夜のようです。いつもなら、自分の家で暖かく過ごしているはずが、その日は住民登録でそれぞれの出身地へ行かなければならなかった。どこの宿屋もいっぱいで、やむを得ず外で過ごさなければならなかった。子どもを妊娠している女性さえ部屋を譲ってもらえずに、家畜小屋へ泊まるようお願いされた。完全に締め出された夜。

 

もちろん、「締め出された人たち」というのは、新型コロナが流行る前から、皇帝が勅令を出す前から、もともと近くにおられました。高齢のため、夜には礼拝に来られない人を私は知っています。病気や障害のため、教会の門をくぐれない人を私は知っています。イルミネーションを設置するため、公園から追い出される路上生活者を私は知っています。

 

この人たちはずっと締め出され、放置されてきました。何とかすべきだけれど仕方がないと割り切られ、中に迎えてもらえないでいました。たとえ、クリスマスであろうと、聖なる夜であろうと、一緒に喜びを分かち合うより、大人しく現状に満足するよう求められました。大半の人にとって、都合が良いように。

 

ところが、あるとき、同じ気持ちをほとんどの国民が味わいます。自分の住んでいる所から呼び出され、遠い町まで行かされて、結局泊まれず、締め出される。ローマ皇帝が住民登録を命じた日、新型コロナが世界中を襲った日、今まで締め出されていなかった人たちが、各地で締め出されました。

 

実は今年ほど、イエス様の誕生を記念する、思い起こすのにふさわしい年はないんじゃないかと思います。教会に入れなかった人、家に迎えてもらえなかった人、仕事で帰れなかった人……あなたはまさに、イエス様が誕生した日のマリアとヨセフ、夜通し羊の番をしていた羊飼いと共に、クリスマスの朝を迎えた人間です。

 

その約一週間後、さらに締め出された仲間が世界の果てからやって来ます。それは、東の方から来た占星術の学者たちでした。黄金、没薬、乳香というとんでもなく高価な宝物を持って、彼らは新しい王、この世界の救い主を訪ねにエルサレムまでやって来ます。ところが、彼らはもてなしを受けるどころか、すぐ別の土地へと向かわされます。

 

「私たちも一緒に王の誕生をお祝いしたい」と願い出たのに、エルサレムの住民も、彼らを治めるヘロデ王も、一緒に祝う気はありませんでした。彼らにとって、東の国々は、かつてイスラエルを攻め滅ぼした大国があった地域です。占星術の学者と呼ばれる職業も、異教の国の祭司的な役割です。一緒に礼拝できるはずがない。

 

むしろ、現状を維持するために、ヘロデ王は彼らを利用しようとします。自分の王位を守るため、生まれてきた赤ん坊の居場所を調べさせ、殺してしまうことにした。外国人の彼らは、もてなしも歓迎も受けず、すぐエルサレムから締め出され、ベツレヘムという田舎に送り出され、人知れず利用されてしまう。

 

ところが、神様は締め出された人たちを招集し、今まで味わえなかった喜びをもたらします。それは、宿から締め出され、家畜小屋で子どもを産んだ貧しい夫婦と、仕事で外に締め出され、野宿していた羊飼いと、エルサレムから締め出され、遥々旅をしてきた異邦人の集まりでした。

 

今まで、この人たちが一緒に礼拝するなんて、あり得ないことでした。彼らが締め出された場所が、礼拝する場所に、お祝いする場所になるなんて、考えられないことでした。だって、夜空が見える家畜小屋の前ですよ? 教会へ行けないクリスマスなんて……家族と過ごせないクリスマスなんて……と思っていた私たちに朗報です。

 

クリスマスは締め出された場所が、礼拝できなかった場所が、教会になる日なんです。ちょうど24日の礼拝後、私のもとに一通のLINEが届きました。それは「配信を見に行ってもいいですか?」と問い合わせてくれた友人からでした。彼女の写真には、電気を消して4本の蝋燭に火を灯し、iPadで配信を開いている部屋が写っていました。

 

その時間、友達と電話をつなげながら、配信を見て礼拝に参加していたそうです。まさに、教会から締め出された人たちが、締め出された場所で集められ、知らせを受け、喜びを共にした空間でした。ある時は自宅で、ある時は病院で、ある時は監獄で、ある時は屋外で、そこに集められた人たちが、見えない教会を作っていました。

 

今こそ、私たちはクリスマスに味わった経験を喜んで伝えたいと思います。今こそ、バラバラになった人たちが、神様に集められていることを歌いたいと思います。

 

讃美歌

会堂の窓を開放しましょう。マスクをしたままで、(讃美歌21)393番「こころを一つに」の1、4節を歌います。諸事情でマスクを外しておられる方は、飛沫感染を避けるため歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を味わいましょう。(*起立のジェスチャー)

 

使徒信条

教会の信仰を告白しましょう。使徒信条(讃美歌21の93-4Aです)。

 

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがへり、天に昇り、全能の父なる神の右に坐したまへり、かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審きたまはん。我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交はり、罪の赦し、身体のよみがへり、永遠の生命を信ず。アーメン。(*着席のジェスチャー)

 

紹 介

本日、初めて来られた方で、ご了承いただいた方のみ、案内した方と一緒にお立ちください。ようこそいらっしゃいました、配信に乗らないように、お名前は後ほど紹介させていただきます。神様の平和が皆さんと共にありますように(拍手)。

 

とりなし

本日、ここに招かれた人たちで、とりなしの務めを果たしましょう。お手元にあるとりなしの祈りの用紙をご覧ください(持っていない方がおられたら、近くの方と一緒にご覧ください)。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

◆世界の国民と政府のために祈ります。主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

◆世界に広がる全ての教会のために祈ります。主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

◆教会員のために祈ります。主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

◆一緒に礼拝できなかった人のために祈ります。主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、一緒に礼拝できない人たちを、あなたが癒し回復してください。

◆身近な人のために祈ります。主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

◆幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

◆苦しんでいる人のために祈ります。主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

◆今も生きておられ、とりなしてくださる方、主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

主の祈り

共に、イエス様が教えられた最も基本的な祈り、『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです(*起立のジェスチャー)……主の祈り。

 

天にまします我らの父よ。

願わくは御名をあがめさせたまえ。

御国を来たらせたまえ。

みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。

我らの日用の糧を今日も与えたまえ。

我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。

我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。

国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。

アーメン。(*着席のジェスチャー)

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。礼拝のライブ配信に参加されている方は、また後日、教会に来られたときにおささげください。

(*新来者が来られたとき)献金は神様の恵みに対する感謝の応答です。教会の維持や運営、地区や教区の働き、福祉や慈善活動への寄付に使われます。金額に定めはありません。持ち合わせのない方は、受付で配られた袋をそのままお入れください。

 

 

 

讃美歌

オンライン讃美歌「歌い、踊り、跳ね、笑い、叫べ」(詞:柳本和良、曲:滝田真治)3、4、5節を歌います。(*起立のジェスチャー)

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

 

今、行きなさい。わたしはあなたを遣わす。(出エジプト記3:10より)

 

どうか、平和の主御自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和をお与えくださるように、主があなたがた一同と共におられるように。(テサロニケの信徒への手紙二3:16)