ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『選ばれなかった者』 ローマの信徒への手紙9:19〜28

日曜礼拝 2021年7月18日


www.youtube.com

 

案 内

華陽教会では、感染症対策のため、礼拝堂、ロビー、3階集会室、2階配信部屋に分かれて「三密を避けた会衆礼拝」を行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、神の招きにあずかりましょう。(*前奏)

 

招 詞

「しかし、あの女の息子も一つの国民の父とする。彼もあなたの子であるからだ」(創世記21:130)

 

讃美歌

マスクをしたままで、旧讃美歌87-B「めぐみのひかりは」を歌います。諸事情でマスクを外している方は歌うのをご遠慮いただき、心で賛美をささげましょう。(お立ちください)

 

お祈り

(ご着席ください)共に祈りを合わせましょう。

◆愛と平和の源である私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて日曜日の礼拝に集まることができ、感謝致します。どうか今、初めて来た人、久々に来た人、配信や原稿を見て、礼拝に参加している人を祝福してください。

◆私たちの神様。今週から、全会衆が、複数の部屋に分かれて、みんなで集まる礼拝を再開することができました。どうか今、毎週続けて礼拝に来られない人たちも、必要な助けと力を受けて、あなたにつながることができるように、導いてください。

◆私たちの神様。今日は礼拝の中で、2019年から華陽教会に出席している方の転入会式を行います。どうか今、新しい仲間と私たちが、ますます豊かに結びつき共に支え合いながら、あなたを証しできるように出発させてください。

◆私たちの神様。8月には、もう一人、華陽教会の群れに招かれて、洗礼を受けようとしている方がいます。どうか今、互いの準備が整えられ、より誠実に、より豊かに、あなたの道を伝えることができるように、私たちを新しくしてください。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。ローマの信徒への手紙9:19〜28(新共同訳より抜粋)

*当ブログ全体における聖書の引用を適切な範囲内で行うため、後ほど聖書箇所のみ記載し、本文をカットすることがあります。後からご覧になる方は、該当する聖書箇所を日本聖書協会の「聖書本文検索」か、手元に新共同訳聖書がある方はそちらからお読みください。

www.bible.or.jp

交読文

詩編の言葉を読み交わしましょう。詩編102:16〜23(新共同訳交読詩編より抜粋)

交読詩編付きの『讃美歌21』をお持ちの方は、後ろの方に載っています。司会と会衆で交互に読んでいきますので、皆さんは一段下がったところと太字のところをお読みください。(お立ちください)

 

f:id:bokushiblog:20210717154831j:plain

syndiliwaltonによるPixabayからの画像

メッセージ

何のために自分が生まれてきたか、一度は考えたことがあるでしょう。牧師をしている私は、牧師になるために生まれてきたのか? 幼稚園の先生をしている人は、先生になるために生まれてきたのか? 娘や息子を授かった人は、親になるために生まれてきたのか? 自分は何のために生きているのか?

 

現状に満足している人は、胸を張ってこう言うかもしれません。「はい、私はこの仕事をするために生まれてきました」「この子を育てるために生まれてきました」「この働きのために生きています」……あるいは、自分の未熟さ、至らなさをわきまえつつ、「与えられた使命を精一杯果たすために生きています」と答えるかもしれません。

 

でも、一方で私たちは、自分が選ばれなかったときを知っています。本当は漁師になりたかったけど、目の疾患でさせてもらえなかった。本当は先生を目指していたけど、心を病んで辞めさせられた。本当は子どもがほしかったけど、最後まで授かることができなかった。私は、ある目的のためには選ばれなかった。

 

時々恐ろしくなるのは、それが前もって、運命のように、神様から決められているのではないか? という疑問です。どんなに私が願っても、医者になることは許されない。どんなに私が優秀でも、あのチームで働くことは却下される。どんなに私が努力しても、求めている成果は得られない。初めから、私はそれに選ばれていないから。

 

旧約に登場する預言者は、神様と人間の関係を「焼き物師」と「器」によくたとえました。その言葉を取り上げて、ローマの信徒への手紙でも、こんなことが言われています。「焼き物師は同じ粘土から、一つを貴いことに用いる器に、一つを貴くないことに用いる器に造る権限があるのではないか。」

 

ようするに、人が何のために用いられるか、何のために生きているか、何のために生まれたかは、神様が決める事柄で、私たちにその決定を変えるような力はない……ということです。自分がやりたいことに用いられれば嬉しいですが、そうじゃなかったからキツい話です。もっと怖いのは、自分の願いとは真逆の目的が与えられることです。

 

人の上に立ちたいのに、人に仕える使命を与えられる。好きな人を世話したいのに、嫌いな人を世話する働きが与えられる。みんなの役に立ちたいのに、何の役にも立たない立場が与えられる。自分は貴い目的に選ばれず、用いられず、むしろ、これから捨てられようとしている……そう感じてきた人もいるでしょう。

 

なぜ、貴くないことに用いられるか、理由はいくらでも出てきます。きっとふさわしくないからです。貴いことに用いられる、知恵も力もないからです。努力が足りない、心が弱い、考えることは浅はかで、良心や誠実さが欠けている……このまま神様に捨てられて「怒りの器」として滅ぼされる運命なのかもしれない。

 

期待していた目的に、自分が用いられなくなったとき、私たちは怯えてしまいます。自分は既に、神に選ばれなくなった、神の前から消えていく存在かもしれないと。実際に、あれにもこれにも選ばれていないから、私は神に満足されていないんだと……実は、そんな不安をよく耳にするのが、誰かが洗礼を受けるとき、あるいは転入するときです。

 

皆さんも心を騒がせた覚えがあるでしょう。洗礼を受けるとき、本当に自分なんかが受けてもいいのか、転会するとき、本当にここの信徒になってもいいのかと……不思議なことに、驚くほど、みんな似たようなことを言うんです。自分を品定めして、自分は貴い器になり得ないと感じてしまうんです。

 

でも、安心してください。あなた自身が、自分の働きを貴いと感じていなくても、神様はあなたを高価で貴い器として、栄光を注ぐ器として準備しています。あなた自身が、自分のことを、いつか捨てられる「怒りの器」だと感じていても、神様はあなたを「憐れみの器」としてテーブルに並べようとしています。

 

確かに、私たちは、自分の期待した用いられ方をされないことが多々あります。思うような生き方ができないこともたくさんあります。愛されなかった民、捨てられてしまった者にしか思えないことも、決して珍しくありません。しかし、神様はその場所で、あなたのことを「愛された者」と呼び、「生ける神の子」と宣言するんです。

 

かつて、イエス・キリストがヨハネから洗礼を受けたとき、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」(マタイ3:17)と天から大声で告げられたように。私たちも一人一人の名前を呼ばれて、神の民だと知らされます。

 

それは、旧約の時代から変わっていません。神に選ばれ、父の家を受け継いだイサクに対し、家を追い出された兄イシュマエルも、神の憐れみによって、新たな生活を与えられました。神に選ばれ、イスラエルの祖先となったヤコブに対し、選ばれなかった兄エサウも、神に愛され、大きな国民の祖となりました。

 

神様は、今までもこれからも、怒りが注がれることになっていた器へ憐れみを注ぎ、捨てられるはずだった器を磨いて、栄光に輝く器へ変えてしまうお方です。今日、新たにそのことを、証しする仲間を迎えています。後に続こうとしている者も、迎える準備をしている者も、今注がれている神の恵みに応答し、共に賛美をささげましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の543番「キリストの前に」を歌います。諸事情でマスクを外している方は歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。(お立ちください)

 

転入会式*1

ただいまより、転入会式を始めます。入会志願者の方は、私の前へお越しください。

 

序 詞

私たちは今、他教会から一人の姉妹を新たにこの教会へ迎えようとしています。この方は、1983年に洗礼を受け、2010年に他教会へ転入され、2019年から日本基督教団華陽教会に出席され、このたび入会することを申し出られました。役員会は正規の手続きを経て、この姉妹の入会を承認いたしました。そこで、私は今ここに、この方の転入会式を行います。

 

志願者の誓約

入会志願者の方に尋ねます。私が「約束しますか?」と尋ねたら、「約束します」と答えてください。

 

司会者:今、わたしは神と日本基督教団の名において、あなたに尋ねます。あなたは、日本基督教団の信仰告白を告白し、この教会の会員としてふさわしい生活を送り、主の栄光を現すことを約束しますか?

志願者:約束します。

 

教会員の誓約

教会員の皆さんに尋ねます。私が「約束しますか?」と尋ねたら、「約束します」と答えてください。

 

司会者:あなたがたは、今この教会に入会する姉妹を、主にある信仰と愛によって受け入れ、共に主の栄光を現すことを約束しますか?

教会員:約束します。

 

信仰告白

共に、日本基督教団信仰告白・使徒信条を告白しましょう。礼拝プログラムと一緒に受け取ったものをご覧ください。配信を見ている方は、画面に映し出すのでそちらをご覧ください。日本基督教団信仰告白。

我らは信じかつ告白す。旧新約聖書は、神の霊感によりて成り、キリストを証し、福音の真理を示し、教会の依るべき唯一の聖典なり。されば聖書は聖霊によりて、神につき、救ひにつきて、全き知識を我らに与ふる神の言にして、信仰と生活との誤りなき規範なり。主イエス・キリストによりて啓示せられ、聖書において証せらるる唯一の神は、父・子・聖霊なる、三位一体の神にていましたまふ。御子は我ら罪人の救ひのために人と成り、十字架にかかり、ひとたび己を全き犠牲として神にささげ、我らの贖ひとなりたまへり。神は恵みをもて我らを選び、ただキリストを信じる信仰により、我らの罪を赦して義としたまふ。この変らざる恵みのうちに、聖霊は我らを潔めて義の実を結ばしめ、その御業を成就したまふ。教会は主キリストの体にして、恵みにより召されたる者の集ひなり。教会は公の礼拝を守り、福音を正しく宣べ伝へ、バプテスマと主の晩餐との聖礼典を執り行ひ、愛のわざに励みつつ、主の再び来たりたまふを待ち望む。我らはかく信じ、代々の聖徒と共に、使徒信条を告白す。

 

使徒信条

*『讃美歌21』93-5A

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがへり、天に昇り、全能の父なる神の右に坐したまへり、かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審きたまはん。我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交はり、罪の赦し、身体のよみがへり、永遠の生命を信ず。アーメン。(*着席のジェスチャー)

 

紹 介

どうぞ、会衆の方をお向きください。これから共に信仰生活を支え合う仲間として歓迎致します。この方の信仰生活が、これからも神様に支えられ、導かれるよう、会衆一同で祈りを合わせたいと思います。

 

祈 祷

主なる神、私たちの教会に新たな仲間を加えてくださったことを感謝します。どうか、姉妹の上に、恵みと祝福を与え、この教会の一員として、信仰から信仰へと歩ませてください。そして、わたしたちがこの姉妹と共に、御子イエス・キリストのからだである教会を、いよいよ豊かに造り上げていくことができるように、お導きください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

 

以上で、転入会式を終わります。どうぞ、席にお戻りください。新しく加わった、信仰の証人と共に、皆さんで主イエス・キリストが与えられた、とりなしの務めを果たしましょう。お手元に「とりなしの祈り」のカードのない方がおられたら、どうぞ近くの方、見せてあげてください。

 

とりなし

神様から委ねられた、とりなしの務めを果たしましょう。

 

司会:神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

司会:世界の国民と政府のために祈ります。

会衆:主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

司会:世界に広がる全ての教会のために祈ります。

会衆:主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

司会:教会員のために祈ります。

会衆:主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

 

司会:一緒に礼拝できなかった人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、一緒に礼拝できない人たちを、あなたが癒し回復してください。

司会:身近な人のために祈ります。

会衆:主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

司会:幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。

会衆:主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

司会:苦しんでいる人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

司会:今も生きておられ、とりなしてくださる方、主イエス・キリストのお名前によって祈ります。

一同:アーメン。

 

主の祈り

共に、イエス様が教えられた『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5A。

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。持ち合わせのない方は、受付でもらった献金袋をそのままお入れください。配信を見ている教会員の方は、また後日、来られたときにおささげください。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌24番「イェスは今日あなたを」(©️柳本和良)を歌いましょう。諸事情でマスクを外している方は歌うのをご遠慮いただき、心で賛美をささげましょう。(お立ちください)

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

派 遣

あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。(使徒言行録1:8)

祝 福

どうか、平和の主御自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和をお与えくださるように。主があなたがた一同と共におられるように。(テサロニケの信徒への手紙二3:16)

 

報 告

本日も教会に集まって、配信を通して、日曜礼拝にご参加くださり感謝致します。先週の小規模礼拝は、教会に集まった10名、同時に視聴された18名、計28名が参加されました。後から配信や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝いたします。

 

来週の礼拝は、5月30日から延期していた「ダルク立証礼拝」です。薬物依存症のリハビリ施設である岐阜ダルクから2名の方をお招きして、その活動を通して与えられた信仰の証をしていただきます。

 

薬物依存やセクシュアリティに関わる生々しい話にも触れますが、事前に話し合いをして、牧師と役員会が了解した上で、メッセージをお願いしています。勇気と使命感を持ってお話ししてくださるので、配慮のないコメントや誹謗中傷となる発言には注意して礼拝にご参加いただけるよう、お願い致します。

 

なお、転入会後の愛餐会は、飲食による感染リスクを避けるため、今回は行いませんが、配信終了後に、改めて転入された方のご紹介をするので、会堂にいる方はそのままでお待ちください。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。

*1:*配信では本人の許可を得て名前を載せていますが、こちらではプライバシー保護のため、式文を一部編集し、名前を伏せさせていただいています。