ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『選ばれたけど、導けない』 使徒言行録7: :17〜35

聖書研究祈祷会 2022年10月5日


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案 内

華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、聖書研究祈祷会を配信と並行して行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の186番「エジプトのイスラエルに」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

 

◆愛と平和の源である、私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。

◆私たちの神様。先日の日曜日には、ようやく三密を避けた会衆礼拝を再開し、全会衆が集まれるようになったことを感謝いたします。どうか今、教会に集まれるようになった人も、まだ集まれない人たちも、あなたの力と励ましを豊かに受け取らせてください。

◆私たちの神様。先週は、数年ぶりに教団総会が開かれました。総会終了後も、多くの課題が私たちの前に残っていますが、少しでも誠実に、建設的な議論ができますように。どうか今、私たちの知恵と力と良心を強めてください。

◆私たちの神様。ウクライナで続いている戦争や、アジア、中東で収まっていない紛争に平和的な解決がもたらされますように。どうか今、少しでも早く、それぞれの地域に平和がもたらされるよう、私たちに必要な歩みをさせてください。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録7: :17〜35の新共同訳を朗読します。

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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メッセージ

イエス様が天に昇って見えなくなった後、信仰者を導く指導者として、最初に会衆を引っ張るようになったのは、ペトロ、ヤコブ、ヨハネをはじめとする、イエス様から選ばれた12人の弟子たちでした。彼らは「使徒」と呼ばれ、イエス様の教えと業を伝えながら様々な奇跡を起こし、教会を作っていきました。

 

けれども、彼らの働きでイエス様を信じる人が増えてくると、12人だけでは手が足りなくなっていきました。教会には、イエス様の語ったこと、なさったことを聞きに来る人だけでなく、病気を癒してほしい人、施しを求めてくる人も、たくさん連れて来られました。そういう人たちの手当てや食事の世話も、最初は使徒たちがやっていました。

 

しかし、それらの務めで忙しくなり、イエス様の側で見てきたこと、聞いてきたことを人々に伝えることが、だんだんできなくなっていきました。そこで、使徒たちはイエス様の教えと業を語ることに専念できるよう、貧しい人の食事の世話や困っている人の手当てをしてくれる7人を、会衆の中から選ぶことにしました。

 

そうして選ばれた7人は、当初、使徒たちから期待されていた、会衆から求められていた「病人や貧しい人々の世話」という枠組みを越え、使徒たちと同じように、イエス様の教えと業を伝える働きもしていくようになりました。イエス様から12人の使徒が選ばれ、12人の使徒から7人の奉仕者が任命され、次々と宣教者が生まれていきます。

 

ところが、使徒たちの按手を受けた、ステファノをはじめとする7人の伝道は、一気に3千人も5千人も信徒を増やすことにはつながりません。よく見ると、ステファノは民衆の間で、素晴らしい不思議な業としるしを行っていたものの、新しく洗礼を受ける人が増えたわけでも、新しく教会ができたわけでもありませんでした。

 

彼は、すぐに反発を受けて捕えられ、最高法院へ連れて行かれます。そして、天使が現れることも、牢の鍵が開くこともなく、裁判が終わると、そのまま都の外へ引きずり出され、石打ちの刑で殺されます。ステファノの言葉を聞いて、イエス様を信じた人や新しく弟子になった人は描かれず、彼の言葉に、教会への反発が強まった世間の姿が描かれます。

 

ステファノの死後、エルサレムの教会に対しても大迫害が起こりました。せっかく集まった多くの信徒は、使徒たち以外、みんなユダヤとサマリアの地方に散っていってしまいました。ステファノが伝道し、捕まって、殺害されたことをきっかけに、初代教会は窮地に立たされます。

 

もし、自分がステファノで、この光景を見ていたら、この展開を知ることになったら、自分のやってきた伝道が「成功した」とは思えないでしょう。むしろ、失敗し、挫折し、かえって教会を破壊してしまったと思うでしょう。奉仕者として選ばれたけど、会衆を導くように立てられたけど、実際には「導けなかった」と思うでしょう。

 

ところが、ステファノ自身が語った最後のメッセージには、自分と同様、聖霊によって選ばれたにもかかわらず、人々の反発を受け、信じてもらえず、うまく導けなかった人の姿が出てきます。なんとそれは、エジプトの奴隷だった自分たちの先祖を導き出したイスラエルの指導者モーセの姿です。実は、ユダヤ人なら誰もが知っているモーセの生涯は、いくつかステファノと重なるところがありました。

 

ステファノは、外国出身の異邦人か、ギリシア語を話すユダヤ人と思われますが、同じ外国出身のユダヤ人や、キリキア州、アジア州出身の異邦人から反発を受けて捕まりました。モーセも、エジプトの王女の子として育てられたヘブライ人でしたが、同胞のヘブライ人から反発を受けて、同胞を助けるために犯した殺人を密告され、追われる者となってしまいます。

 

もともと、食事の世話をする者として選ばれたステファノは、教会の仲間からも伝道する相手からも「だれが、お前を我々の指導者にしたのか」と睨まれやすい状況でしたが、モーセも、喧嘩を注意した同胞から「だれが、お前を我々の指導者や裁判官にしたのか」と睨まれます。

 

また、ステファノは、自分がイエス様のことを語った同胞から、石を投げつけられて、殺されてしまいますが、モーセも、神の言葉を伝えた同胞から、石で打ち殺されそうになったことが何度かあります。自分たちを導くモーセに対し、民は繰り返し、「エジプトにいた方がマシだった」「俺たちを連れ出したのは死なせるためか?」と怒ってきました。

 

実は、エジプトの奴隷だったイスラエル人を導き出した偉大な指導者に見えるあのモーセは、全然、民を導くことが得意ではありませんでした。むしろ、たくさん反発を受け、殺されかけ、神様に泣きつくことを繰り返してきた人物です。当時、導かれていたイスラエル人も、モーセのことを「指導者としてふさわしい」とは感じなかったと思います。

 

なにせ、エジプトを脱出した後、モーセに連れられたイスラエル人は、40年間も荒れ野をさまよわなければなりません。脱出したときに大人だった人々は、皆、荒れ野をさまよう間に死んでしまいます。40年間、人々を目的地へ入らせなかった指導者は、自分も「約束の地」へ入ることなく、天へ挙げられます。

 

かつて、神様に選ばれてきた、立てられてきた指導者たちも、決して「成功者」ではありませんでした。きれいに、上手く、人々を導けたわけではありませんでした。むしろ、不器用で、失敗を繰り返し、励まされたり、叱られたり、慰められたりしながら、神様と一緒に歩んできました。

 

民の指導者として、教会の指導者として、選ばれたけど導けない、結果を出せない、台無しにする……そのような人たちが、信仰者の群れを導く者として立てられてきました。あのとき、荒れ野をさまよわされたこと、あのとき、ユダヤとサマリアの地方へ散らされたことが、世界中に、神様と、イエス様と出会う人たちを広げていくことになるとは、誰も思っていませんでした。

 

もしかしたら、今まさに、奉仕者に選ばれて、リーダーとして立てられて、「選ばれたけど、導けない」自分の姿にぶつかっている人がいるかもしれません。上手くみんなを導けず、批判にさらされて、神様に泣きつきながら、愚かな自分を意識している人がいるかもしれません。

 

そのあなたが歩んでいる道を、あの日、モーセも歩きました。あの日、ステファノも歩きました。その先に、私たちの教会が建てられました。私たちの仲間が、信仰者の群れが広がっていきました。上手くいかない、結果が出せない、先行きが分からない、あなたの先にも道があります。あなたを選び、立てられた神様が、付き合い続けてくださいます。

 

聞く者と、語る者との間に、思いがけない聖霊の働きが今日も起こされますように。私たちが互いに、語るべきことを語り、聞くべきことを聞き、行うべきことを行えるように、互いを蔑ろにしないように、いつも、神様の業を、イエス様の言葉を、思い起こすことができますように。アーメン。

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘教会)のために、岐阜地区のために、中部教区のために、日本基督教団のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘教会のために祈ります。教会員と牧師家庭に、あなたの慈しみがありますように。これからの世界を生きる全ての若い人々が、豊かに導かれ、健やかにその心が育まれますように。

◆岐阜地区のために祈ります。田瀬、付知、坂下、蘇原、飛騨高山、中濃、各務原の教会に、あなたの恵みと導きが豊かにありますように。また、在日大韓基督教会とフィリピン合同教会の上にも、あなたの助けと祝福がありますように。

◆中部教区のために祈ります。牧師が不在の教会、互助が必要な教会、修繕中の教会、会堂建築中の教会に、あなたの支えがありますように。また、委員が足りないところ、人手が少ないところにも、適切な人が遣わされますように。

◆日本基督教団のために祈ります。歴史的にも、経済的にも、様々な課題を抱えている私たちに、あなたの導きがありますように。強権的な仕方ではなく、誠実で建設的な歩みができるように、私たちみんなを変えてください。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌26番「あなたが共にいること」(©️柳本和良)を歌います。

 

 

主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。

 

主の祈り93-5A

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。


日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳

天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。

 

報 告

本日も、教会に集まって、また配信を通して、聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、教会に集まる集会を再開しています。

 

教会学校こども礼拝、聖書研究祈祷会、日曜礼拝も、問い合わせなしで参加できるようにしています。興味のある方はぜひ、お待ちしています。また日曜日まで、皆さん一人一人に、神様の平和がありますように。