ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『私も妨げられない』 使徒言行録10:44〜48

聖書研究祈祷会 2023年1月25日


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案 内

華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、聖書研究祈祷会を配信と並行して行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の66番「父と子と聖霊の」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

◆全てのものを新しくされる、私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。

◆私たちの神様。寒波による影響で、様々な支障が出ている人たちに、あなたの助けがありますように。どうか今、ここに来るつもりで、家から出られなかった人たちにも、あなたの恵みをもたらしてください。

◆私たちの神様。感染症にかかった人や怪我をした人、二次障害が悪化した人や心身の衰えを感じる人に、あなたの癒しがありますように。どうか今、なかなか顔を合わせられない人たちと、再び会える日が来るように、私たちみんなを力づけてください。

◆私たちの神様。何らかの被害を受けた経験や、現在進行形で暴力を受けている人たちにあなたの助けがありますように。どうか今、私たちの傍で起きていることに、私たち自身が気づけるように、互いに助け合えるように、気づきと勇気をもたらしてください。

◆私に呼びかけてくださる主、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録10:44〜48の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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SantaによるPixabayからの画像

メッセージ

私たちが読んでいる、聖書の新共同訳と聖書協会共同訳には、使徒言行録10章44節から48節のところに「異邦人も聖霊を受ける」という見出しがついています。この見出しは、もともと聖書の原典にはなかったもので、箇所を見つかりやすくするため、日本語に訳されたとき、後から付け加えたものです。

 

「異邦人も聖霊を受ける」……それ以前は、異邦人が聖霊を受けることは、あり得なかった、できないことだった……そんなニュアンスが伝わってきます。それどころか、洗礼さえも、異邦人に授けることはあり得なかった、許されなかった、もし、しようとすれば妨げられた……そんな印象を受けるシーンです。しかし、実際には、これ以前にも、洗礼を受けた異邦人は存在しました。

 

すぐに思い浮かぶのは、使徒言行録8章後半に出てくるエチオピアの宦官でしょう。彼は、神様によって遣わされたフィリポによって、エルサレムから自分の母国へ帰る途中、聖書に書かれていること、また、イエス・キリストのことを教えてもらいます。そして、道を進んでいくうちに、水のある所が見つかって、宦官自ら言い出します。

 

「ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか」……先ほど読んだ、ペトロの台詞は、このエチオピアの宦官の言葉と重なっています。「この人たちが水で洗礼を受けるのを、誰が妨げることができますか」(聖書協会共同訳)……かつて異邦人自ら告げた言葉を、今度は傍にいるユダヤ人が告げるようになる。

 

フィリポとエチオピアの宦官、ペトロとコルネリウスの家の者たち……2箇所を照らし合わせてみると、既に、異邦人への洗礼は行われていたにもかかわらず、まだ使徒たちの間にも、使徒についていく弟子たちの間にも、異邦人への洗礼に、強い抵抗があったことが読み取れます。

 

実際、フィリポのときでさえ、洗礼を促したのは、伝道しにきた宣教者の方ではなく、初めてイエス様について聞かされた異邦人の方でした。「教える者と教えられる者」「導く者と導かれる者」の関係が逆転していることに気がつきます。ペトロが異邦人の洗礼を促したときも、教えられ、準備を促されたのは、異邦人の方ではなく、ペトロたち宣教者、伝道者の方でした。

 

そもそも、この洗礼に至る過程で、最初に神様の意志を知らされたのは、ペトロではなく、カイサリアに住む異邦人、コルネリウスの方でした。彼は、民に遣わされる教師、預言者、祭司のように、神の天使に呼びかけられ、自分の仲間を遣わすところを教えられます。それは、ヤッファに滞在していたユダヤ人、ペトロのいる所でした。

 

なんと、まだ洗礼を受けてない異邦人が、聖霊を受けた使徒のもとへ遣わされ、神様の意志を知らせにいきます。まだ洗礼を受けてない新来者が、教会にいる人々のもとへ遣わされ、神様の望む変化と生き方を信徒と牧師へもたらすように……しかし、ペトロは自分のために、洗礼を受けてない異邦人が遣わされるなんて、思ってもいなかったでしょう。

 

教会にいる私たちも、度々、同じ状況に遭遇します。洗礼を受けた自分たちが、洗礼を受けてない新来者によって、神様の望む変化や生き方をもたらされる。彼らの方が、自分たちのために、教師や預言者として、神様に遣わされてくる……人によってはショックなことかもしれません。

 

だって、私の方が洗礼を受けているのに、聖書を読んできたのに、礼拝に参加してきたのに、私の生き方を新たにするため遣わされたのは、まだ洗礼を受けてない、聖書を読んだことのない、礼拝に初めてやってきた人だった。洗礼を受ける準備が必要なのは、彼らだと思っていたのに、神様は私に準備させるため、彼らをここへ遣わしてきた。

 

事実、神が清めた物を清くないと言い、拒絶していたペトロの態度が変わるのは、コルネリウスから差し向けられた人々が、彼に声をかけてからです。どうして自分のもとへやって来たのか、彼らに教えてもらってからです。ペトロが「清くない」「汚れている」と思っていたものへの態度を変えたのは、それからでした。

 

ペトロについてきたユダヤ人たちも、ペトロの話を聞いていたコルネリウスたちに聖霊の賜物が注がれるのを見て、大いに驚きます。彼らも、神が清めたものを清いと言えず、自分たちと同じ聖霊を受けることが信じられずにいたようです。しかし、ペンテコステに使徒たちが異なる言葉で話し出したのを見た者のように、異邦人たちが異言を話し、神を賛美しているのを見て、弟子たちも受け入れる準備ができていきます。

 

実は、洗礼によって変えられるのは、洗礼を受ける人だけじゃないんです。むしろ、神様から、洗礼を受ける人が遣わされた、教会員一人一人に、準備が促されているんです。ここに来る新来者や求道者は、私たちが神様を受け入れる準備を手伝う者であり、同時に私たち自身の教師として、預言者として、宣教者として神様に遣わされた者です。

 

だから、華陽教会では受洗勉強会や受洗準備会を行うとき、受洗志願者だけでなく、希望する教会員や客員にも、一緒に学ぶ機会を設けます。コルネリウスの家の人々に新しくされたペトロのように、受洗志願者によって新しくされる教会員が私たちです。私たちは互いに神から遣わされ、互いに神の民として受け入れ合うよう、いつも促されています。

 

だから、新しくなりましょう。共に学びと理解を深めましょう。洗礼を受ける人も、その人のために祈る人も、共に準備を進めましょう。「私たちと同様に聖霊を受けたこの人たちが、水で洗礼を受けるのを、いったいだれが妨げることができますか?」……私も妨げられません。私も準備しなさいと、この人を遣わされたからです。

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(栃木県河内郡の上三川教会)のために、医療従事者のために、学校関係者のために、受洗志願者のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆栃木県河内郡の上三川教会のために祈ります。この教会に必要とされているものが満たされ、信徒と教師の健康が守られ、それぞれの家族、友人、仲間たちに、あなたの愛と平和が広がりますように。

◆医療従事者のために祈ります。今もなお、ひっ迫した医療提供体制の中、病や怪我と闘っておられる医師、看護師、ヘルパーの上に、あなたのお守りがありますように。一刻も早く状況が改善し、十分な休息と人手が得られますように。

◆学校関係者のために祈ります。保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、その他様々な教育機関で働いている教師、職員、スタッフの上に、あなたのお支えがありますように。子どもたちの成長と共に、職員の心身も守られますように。

◆受洗志願者のために祈ります。華陽教会をはじめ、全国の教会で洗礼を受ける準備をしている人たちに、あなたの祝福がありますように。教会員一人一人も、新たに仲間を迎えるために、必要な変化と成長を遂げることができますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌24番「イェスは今日あなたを」(©️柳本和良)を歌います。

 

 

主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。オンライン賛美歌の後ろの方の4頁にも掲載しています。主の祈り……

 

 

報 告

本日も教会に集まって、また配信を通して、聖書研究祈祷会にご参加くださり、感謝致します。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった5名、同時に視聴された3名、計8名が参加されました。後から動画や原稿を見て祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

配信終了後、時間のある方は14:30まで、聖研の質問や感想、キリスト教について気になっていることなど自由に聞ける第二部「分かち合い」の時を開きます。人前でお祈りするのを遠慮したい方は、飛ばしてもらうこともできます。よかったらぜひご参加ください。

 

聖書研究祈祷会が終わった後、受洗志願者と一緒に受洗勉強会も15:30まで行っています。受洗する気はないけど興味のある人、既に受洗したけど出てみたい人も、自由に参加できるようにしています。どうぞ気軽にお越しください。

 

なお、華陽教会では、水曜日13時半からの聖書研究祈祷会、日曜日9時15分からの教会学校こども礼拝、第3金曜日14:30からのキリスト教ABC講座は、平均5名前後の出席であるため、感染症対策をした上で、誰でも集まれるようにしています。

 

日曜日10時半からの主日礼拝は、奉仕者6〜7名、教会員3〜4名、新来者1〜4名に調整して、10名前後で集まれるようにしています。普段、華陽教会に来ている信徒、客員、求道者の方は、2月までの出席希望日をお伝えいただき、牧師が調整しています。

 

初めて礼拝に来る方や、2ヶ月以上出席できなかった方は、問い合わせなしで参加できるようにしています。配信も続けて行っているので、オンラインでも、どうぞよろしくお願いします。それではまた、日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。