聖書研究祈祷会 2022年5月25日
案 内
華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、3回目のワクチン接種を受けた人たちで、聖書研究祈祷会に集まっています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。
讃美歌
マスクをしたままで、讃美歌21の339番「来たれ聖霊よ」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。
お祈り
ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。
◆復活と希望をもたらす私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。
◆私たちの神様。昨日は2年ぶりに中部教区総会を金城学院に集まって行うことができました。限られた時間でしたが、顔と顔を合わせて協議をすることができ感謝致します。どうか今、困難な状況でも諸教会の話し合いが誠実に進められますように。
◆私たちの神様。来週は岐阜地区の諸教会による総会が華陽教会で開かれます。こちらも時間を短縮して2年ぶりに開催します。どうか今、岐阜地区に連なる各教会の思いと力が合わさりますように。
◆私たちの神様。今度の日曜日には、総会前に、聖愛学園の理事会も開かれます。慌ただしいスケジュールの中、話し合いを進めなければなりません。どうか今、一つ一つの話し合いが誠実に進められますように。
◆愛と平和の源であるイエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
聖書朗読
聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録2:37〜47の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。
*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。 |
メッセージ
使徒言行録に記された、初代教会における信者の生活は、理想的な信仰生活として描かれたもの……というふうによく言われます。人々は教えを聞くことに熱心で、積極的に相互交流が行われ、パンを裂くこと、祈ることに熱心だった……信者は皆一つになって、全てのものを共有し、財産や持ち物を売り払って、皆がそれを分け合った。
確かに、個々人が自分の欲を捨て、互いに助け合い、分かち合うことを大事にしている生活は、愛と思いやりに満ちた、素敵な社会に思えます。神様に信頼し、信仰を持って支え合う、優しい共同体に思えます。しかし、これが本当に「教会の理想的な姿」なのか? 私たちが「回帰すべき原点」と捉えていいのだろうか? そんなふうにも思うんです。
というのも、ここに記された共同体の在り方は、1970年代から、度々問題を起こしてきた、社会運動やカルト宗教による小規模な共同社会「コミューン」を彷彿とさせるものだからです。実際、読んでいて若干心配になった、カルトっぽく感じた人も、少なくないと思います。
だって、集まった人たちが、財産や持ち物を売り払って、みんなで共有する話って、まさに、メンバーに加わった人たちが、全財産をささげてしまう、破壊的カルトの金銭トラブルを思い出させる内容です。本人が自分の意志で、納得したならいいけれど、その人と生活を共にする家族や子どもは、たまったものではありません。
進学に必要だった貯金、生活に不可欠な車、祖父の代から受け継いできた山や土地……そういったものが、使徒の話を聞いて、仲間へ加わった身内によって、全て売り払われ、共有され、自分たちの手元から消えてしまう……考えてみれば大事件です。みんながみんな、家族共々、使徒の仲間へ加わったわけではないでしょうから、あちこちでトラブルが起きたことは想像に難くありません。
ペンテコステに聖霊を受けて語り出したペトロによって、その日のうちに3000人ほどが仲間に加わった、信徒の群れに加わったことが書かれていますが、間違いなく、大騒ぎになったと思います。「すべての人に恐れが生じた」という言葉は、神に対する恐れにも思えますが、ついていけない周りの恐れもあったんじゃないかと思います。
今だって、ただ単に教会へ行き始めただけであっても、家族や友人に心配されることは珍しくありません。47節には、信者になった人たちは、毎日ひたすら心を一つにして神殿へ参り、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた……とありますが、むしろ、不安が生じたんじゃないかと思います。
実際、私の父が若い頃、教会へ行くようになり、洗礼を受け、ついには牧師を志すようになったとき、亡くなった祖父は、好意よりも危機感を覚えていました。もともとは、「高そうだから」という理由で、聖書を万引きしようとした父が、牧師になるため、真面目に大学へ行こうとしたときも、祖父は恐れを感じました。
あの息子が「こんなもの」と聖書を投げつけたら、「聖書を投げないでくれ」と泣き出してしまう……「漁師になりたい」と言っていたのに、「牧師になりたい」と言い出してしまう……息子の変化についていけず、戸惑いと不安で、祖父も胸がいっぱいだったろうと思います。
離れた人から見れば、第三者から見れば、そこまで怖くはないかもしれません。キリストを信じるようになって、大きく生き方が変わっていった、新しい生活をするようになった……そういう「良い話」「奇跡的な話」に聞こえてくるかもしれません。でも、近くで見たら不安になります。最も身近な人たちに、最も近しい人たちに、恐れを抱かせます。
おそらく、最初に信徒の群れへ加わった3000人の人たちも、一緒に住んでいる者、近くにいる者から、恐れを抱かれたんじゃないかと思います。どうして教会へ行くようになったの? なぜ献金するようになったの? 何で賛美を始めたの?……すべての人に恐れが生じ、注目されていったでしょう。
人によっては、理解されない身内から、怖がっている家族から離れて、同じ信仰を持つ者だけで集まりたいと考えたかもしれません。ついてこれない、分かってくれない人たちはもう置いていって、切り捨てて、自分たちだけでやっていこうと考えたかもしれません。でも、初代教会の集まりは、そういう閉鎖的な集まりではありませんでした。
彼らは各地からユダヤ人が集まる神殿へ毎日行きました。社会から切り離された生活ではなく、みんなと顔を合わせる空間で過ごしました。彼らは家ごとに集まってパンを裂きました。隔離された施設ではなく、各々の家で、家族と、身内と、友人と顔を合わせる場所でパンを裂き、一緒に感謝して食事をしました。
正直、使徒の話を聞いて共感した、信じるようになった人たちだけで集まった方が、楽だったと思います。しんどくなかったと思います。でも、彼らは社会の中で、民衆の中で、家庭の中でパンを裂き、互いに分け合い、祈りを共にして、賛美を続けました。なぜ自分が信じるようになったのか、どうして仲間になったのか、みんなへ伝えていきました。
私の祖父は亡くなる前、病院で洗礼を受けました。心臓が一度停まって、もう意識は戻らないと思っていたのに、病床洗礼を受けてから、しばらく経って退院しました。そして、祖母と一緒に教会へ行きました。かつて、私の父、自分の息子を変えてしまった教会へ、恐れていた信徒の群れへ加えられ、共に祈りと賛美を合わせました。
「主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされた」……それは決して、簡単な、劇的な、一瞬の出来事ではなかったと思います。毎日の積み重ねで、多くの人の祈りによって、加えられた奇跡なんだと思います。離れたところで、ただ待つのではなく、その場に身を置いて、祈り、願い、誠実に自らの生き方を見せていくことが、私たちの伝道です。
あなたの前に、隣に、後ろにいる人が、あなたと私とこの群れを通して、キリストと出会うことができますように。共に、恵みを分かち合うことができますように。アーメン。
とりなし
共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(神奈川県川崎市の在日大韓基督教会川崎教会)のために、ウクライナのために、香港のために、アフリカのために、祈りを合わせましょう。
◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。
◆神奈川県川崎市の在日大韓基督教会川崎教会のために祈ります。教会建築があなたによって導かれ、多くの方々の祈りが叶えられますように。地域に仕える教会として福音宣教に励めますように。
◆ウクライナのために祈ります。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から3ヶ月が経ちました。長期化する戦争に、多くの人が傷つき、疲れ、苦しんでいます。一日も早く、平和的な解決がもたらされるように、私たちの間をとりなしてください。
◆香港のために祈ります。新型コロナの拡大や中国との関係の中で、苦しい思いをしている人に、あなたの助けがありますように。特に、生活が厳しくなっている人、行動に極端な制限がかけられている人に、あなたの励ましがありますように。
◆アフリカのために祈ります。いくつかの国で続いている人権侵害や暴力の波が収まりますように。適切な法の支配が回復し、紛争や暴動から子どもたちが守られ、平和が訪れますように。
◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
讃美歌
マスクをしたままで、オンライン賛美歌26番「あなたが共にいること」(©️柳本和良)を歌います。
主の祈り
共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。
主の祈り93-5A
天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。
日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳
天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。
報 告
本日も、聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった4名、同時に視聴された5名、計9名が参加されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。
華陽教会では感染症対策をした上で、聖書研究、日曜礼拝、キリスト教ABC講座に、3回目のワクチン接種を終えた人たちで集まっています。引き続き、配信を通して参加することも可能です。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。