ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『聖霊が語らせる?』 使徒言行録2:1〜13

ペンテコステ礼拝 2022年6月5日


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案 内

華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、3回目のワクチン接種を受けた人たちで、時間を短縮して礼拝に集まっています。共に今、教会にいる人も配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

前 奏

(*奏楽者は牧師の案内のあと、前奏を弾き始めます。司式者は前奏の終わり頃に講壇へ立ち、会衆を招く準備をします。招詞の聖書箇所は読み上げる必要はありません。網かけ部分は司会が読むところ、四角部分は会衆が立つところです。(かっこ)は会衆の様子を見て省けるときは省きます。)

 

招 詞

わたしは言おう、わたしの兄弟、友のために。「あなたのうちに平和があるように。」わたしは願おう/わたしたちの神、主の家のために。「あなたに幸いがあるように。」(詩編122:8〜9)

 

讃美歌

マスクをしたままで、旧讃美歌519番「わがきみイェスよ」1節、3節を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

(ご着席ください)共に祈りを合わせましょう。

 

◆愛と力の源である、私たちの神様。今日もまた、日曜日の礼拝を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの神様。教会に新しい風が吹き付けました。あなたの送る聖霊によって、弟子たちは立ち上がり、家を出て、人々に語り始めました。どうか今、私たちにも、新しく立ち上がり、出発する力を与えてください。

◆私たちの神様。教会に新しい音が聞こえました。あなたの送る聖霊によって、人々は聖書の言葉を聞き、自らを振り返り、他の人々も連れてきました。どうか今、私たちにも、新しい気づきと発見をもたらし、希望を分かち合わせてください。

◆私たちの神様。教会に新しい火が燃え上がりました。あなたの送る聖霊によって、傷ついていた者は励まされ、慰められ、支えられました。どうか今、私たちにも、新しい関係と信頼を築かせ、恐れから解放してください。

◆私たちを支え、導き、送り出すイエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録2:1〜13(新共同訳より抜粋)

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。交読詩編も同様に後からカットしています。

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讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の349番「神の息よ」1、3節を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

メッセージ

今年もペンテコステがやって来ました。2000年前の今日、イエス様の弟子たちは、天から送られた聖霊を受け、天下のあらゆる国の言葉で語り出し、世界各地に教会を造っていきました。この日が「教会の誕生日」「聖霊降臨日」とも言われるのは、そのためです。イエス様が復活してから50日目、弟子たちが新しい出発をした朝でした。

 

一方で、この日はイエス様が天へ昇って姿を消し、弟子たちの前から居なくなって10日目を迎えた日でもありました。自分たちが生きているうちに、再びイエス様が地上へ戻ってくることを期待していた弟子たちは、3日、5日、1週間と経つうちに、どうやら、救い主が地上へ戻ってくる日は、そんなにすぐじゃないようだ……と気づいたようです。

 

欠けてしまった使徒を補充し、今後のことを考えながら、みんなで一つになって祈っていました……確か、イエス様が、神様の約束していた聖霊を私たちへ送ると言っていた。それまでは、エルサレムで待っているように命じていた。救い主がいなくなって、どうしたらいいか分からないけど、今はとにかく待つしかない。

 

そうして、閉じこもっていた彼らのもとへ、突然、激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響きました。さらに、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまります。奇跡的なシーンとして有名ですが、皆さんはこれを聞いて、何を連想されるでしょうか?

 

激しい風、家中に響く音、燃え上がる炎……私が最初に思い浮かべるのは、爆撃を受けた家庭です。実を言うと、弟子たちが聖霊を受けた日の描写は、戦場と似ています。ウクライナ、チベット、リビアなど、今も不安定な地域では、爆風、爆音、燃え上がる炎に囲まれて、身を寄せ合って避難している人たちがいます。

 

日曜日に教会へ集まることもできず、地べたに座ったまま、声を殺して、救いが訪れるのを待っています。自分たちをここから解放し、安全な場所へ連れて行き、日常を取り戻してくれる、そんな誰かを待っています。今日が、教会の誕生日、ペンテコステであることも頭から吹っ飛び、縮こまっている人たちの姿が、ぴたりと弟子たちに重なります。

 

彼らは聖霊を受けて、ほかの国々の言葉で語り出します。この物音に集まって来た、大勢の人々は、自分たちの故郷の言葉が話されているのを耳にします。海外へ逃げ延び、難民となって、知らない国の人たちが集まった場所で、自分と同じ国の言葉が語られたのを耳にして、急いで駆け寄って来る人たちの姿と重なります。

 

 そう、あの日、あの時、聖霊を受けた人たちは、混乱している人たちでした。神殿へ礼拝に行くことも、祭りを祝うこともできませんでした。地べたに座り、息を殺して、身を寄せ合って祈っている、余裕のない人たちでした。新しい始まりなんて期待できず、今にも終わりを迎えそうな人たちが、教会の始まりを見た者だったんです。

 

五旬祭の日……それは、もともとユダヤ教の三大祭の一つで、小麦の収穫の初穂をささげ、神様が律法を与えてくださったことを記念する日でした。エルサレムにいながら、この日に神殿へ行くことなく、犠牲をささげない人たちは、祭りの日に、準備ができていない者、礼拝を蔑ろにしている者とみなされたでしょう。

 

イエス様の弟子たちも、献げ物の用意なく、神殿へ行くことなく、家の中にいた自分たちが、このタイミングで、約束のものを受けるとは、聖霊を受けるとは、誰も思っていなかったでしょう。声を合わせて祈ることも、賛美を口にすることも、パンを分け合うこともできない日でした。何かを記念できる状態とは思えませんでした。

 

しかし、彼らはこの日、聖霊を注がれ、立ち上がりました。天下のあらゆる国の言葉で語り出しました。そこには既にない、滅びたはずの地域の言葉も含まれました。聖霊が語らせる言葉は、時間を問わず、地域を問わず、全ての者へ、救いの訪れを語りました。ペンテコステに、激しい風と、響き渡る音と、燃え上がる炎を前にしている人たちにも、神殿へ行くこと、教会へ行くことができずにいる人たちにも、語ったんです。

 

あなたに吹き付ける風は聖霊の風となる、あなたの耳を刺す音はキリストの声となる、あなたの身を焦がす炎は神の力となる……閉じこもり、立ちすくみ、黙り込むあなたは、立ち上がり、歩き出し、語り出す者となる。あなたに平和をもたらすキリストが、あなたの内に宿られる。

 

今日、私たちの中には、あの日、神殿へ行けなかった弟子たちのように、教会へ来ることのできなかった仲間がいます。今日、私たちの間では、あの日、歌うことができず、息を殺した弟子たちのように、飲食ができず、聖餐式を行うことができません。今日、私たちから離れた地では、あの日、激しい風と、音と、炎を体験した弟子たちのように、爆風と、爆音と、燃え上がる炎のそばに、身を置いている人たちがいます。

 

……ここに、聖霊が訪れています。ここに、始まりが訪れています。ここに、キリストが来ています。一つになって集まることができない者も、バラバラに離されてしまった者も、家から出ることができない者も、聖霊が注がれた場所に来ています。ここに、集められています。ここで、私たちは語らされます。和解と平和の訪れを、救い主の訪れを。

 

讃美歌

オンライン賛美歌3番「閉じこもる私たちに」(©︎柳本和良)を歌います。オンライン賛美歌の楽譜は、著作者の許可を得て掲載しています。

 

 

紹 介

本日も、初めて礼拝に来られた方、配信を見られた方、久しぶりに参加された方と、一緒に礼拝にあずかれたことを感謝致します。受付でご了承いただいた方のみ、配信終了後にご紹介させていただきます。ぜひ、これからも一緒に礼拝へ出られると嬉しいです。

 

とりなし

共に、神様から委ねられた、とりなしの務めを果たしましょう。オンライン讃美歌の後ろから2ページ目をご覧ください。

 

司会:神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

司会:世界の国民と政府のために祈ります。

会衆:主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

司会:世界に広がる全ての教会のために祈ります。

会衆:主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

司会:教会員のために祈ります。

会衆:主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

司会:今日ここに出席できなかった人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、ここに見えない人たちを、あなたが癒し回復してください。

司会:身近な人のために祈ります。

会衆:主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

司会:幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。

会衆:主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

司会:苦しんでいる人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

司会:今も生きておられ、とりなしてくださる方、主イエス・キリストのお名前によって祈ります。

一同:アーメン。

 

主の祈り

イエス様が教えられた『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5A。(オンライン讃美歌の裏面をご覧ください)

 

主の祈り93-5A

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。


日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳

天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。

 

食卓を囲めない日の祈り

本日は、飲食による感染リスクを避けるため、パンとぶどう液をいただく聖餐式を休止し「食卓を囲めない日の祈り」を行います。共に「命のパン」「命の水」である神の言葉を受け取りましょう。

 

招 き

かつて、私たちの主イエス・キリストは、パンを求めて集まってきた群衆に言われました。「わたしは命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。(ヨハネ6:35)」「わたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。(ヨハネ6:57)」

 

また、主は水を求めてやって来たサマリアの女性に言われました。「わたしが与える水を飲む者は、決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。(ヨハネ4:14)」

 

主は、荒れ野で悪魔の誘惑を受け、空腹の中「石がパンになるよう命じたらどうだ」と言われたとき、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる(マタイ4:4)」と答えました。そうして悪魔は離れ去り、主はガリラヤに帰られて、人々に神の言葉を与えました。

 

今、様々な事情で食卓を囲めない私たちに、主は「命のパン」「命の水」である神の言葉を与えます。食事が喉を通らず水も飲めない人々に、みんなと一緒に食事を味わえない人々に、神様は新しい糧をもたらします。

 

共に、聖書を通して与えられた「神の恵み」「神の祝福」を分かち合う、見えない食卓を囲みましょう。

 

感謝の祈り

恵みと祝福の源である私たちの神様、あなたは私たちの欠乏を満たす「命のパン」「命の水」をお与えになります。孤独に共感を、対立に連帯を、恐怖に信頼をもたらします。あなたは私たちを死の恐れから解放するため、御子イエス・キリストを遣わされ、共に渇き、共に飢え、共に痛みを負われました。

 

ご自分が渇いているときに、孤立した女性に水を求め、新しいつながりを与えました。ご自分が飢えているときに、神の言葉に信頼し、人々に希望を示しました。パンがなく、水がなく、共に食卓を囲めないとき、あなたの言葉一つ一つは、私たちに見えない糧をもたらします。

 

どうか今、あなたから受けた恵みと祝福を、私たちも互いに分け合う者とならせてください。あなたの愛と平和がこの世界を満たしますように。アーメン。

 

とりなし

共に、神の祝福を宣言しましょう。

皆さんの隣に、前に、後ろにいる人、あるいは離れている人へ、イエス様から与えられた良い知らせを伝えましょう。

 

司式者:主は言われます。

一 同:「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる(ルカ23:43)」

司式者:私たちも知らせましょう。

一 同:「主があなたと共におられます」

 

司式者:主は言われます。

一 同:「あなたがたに平和があるように(ヨハネ20:19)」

司式者:私たちも答えましょう。

一 同:「わたしの主、わたしの神よ(ヨハネ20:28)」

 

応答の祈り

感謝の応答として、共に祈りをささげましょう。

 

信仰と希望と愛をもたらす私たちの神様、今ここで、食卓を囲めない日に、「命のパン」「命の水」であるあなたの言葉を分かち合えたことを感謝致します。日々、あなたがもたらされる日用の糧も、心を養う御言葉の糧も、必要なとき、必要な仕方で備えられてきました。

 

足りない者には与える者が、失くした者には見つける者が、一人の者にはつながる者がもたらされます。どうか今、私自身も、あなたからいただくつながり、発見、恵みの数々を共に分け合う者として、送り出してください。

 

主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。クリアファイルに挟まれた封筒をご利用ください。(初めての方は、金額に定めはありません。持ち合わせのない方は、空のまま封筒をお入れください)

 

献金の祈り(例)

変化と回復をもたらす私たちの神様、あなたから受ける言葉によって、私たちは新しく生かされます。今から後、私自身の生き方が変えられていくしるしとして、ここにささげた供え物を受け入れてください。主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、献金の讃美歌512番「主よ、献げます」の2節を歌いましょう。

 

讃美歌

オンライン賛美歌10番「祝福」を歌いましょう。

 

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

 

派 遣

あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒言行録1:8)

 

祝 福

主がすべての災いを遠ざけて/あなたを見守り/あなたの魂を見守ってくださるように。あなたの出で立つのも帰るのも/主が見守ってくださるように。今も、そしてとこしえに。(詩編121:7〜8)

 

報 告

本日も教会に集まって、また配信を通して礼拝にご参加くださり、ありがとうございます。先週の日曜礼拝は、教会に集まった20名、同時に視聴された9名、計29名が参加されました。後から配信や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝いたします。

 

来週も、3回目のワクチン接種を受けた人たちで、マスク・消毒・換気等の対策をした上で、三密を避けた会衆礼拝を行います。アナフィラキシーでワクチンを打てない方や生理的な理由でマスク・消毒ができない方は、お問合せの上、参加できるように対応します。

 

予防の手段が限られる人のために、それぞれ可能な限り、感染症対策にご協力いただき、礼拝に集まれたらと思います。また日曜日まで、皆さん一人一人に、神様の平和がありますように。