ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『新しい帰り道』 イザヤ書11:1〜10、マタイによる福音書2:1〜12

日曜礼拝 2023年12月31日


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説 明

教会にお集まりの皆さん、おはようございます。オンラインで配信を見ている方も、おはようございます。まもなく、10:30から礼拝が始まります。礼拝の最中は、携帯をマナーモードにしていただき、後から来た人も座れるように、席の譲り合いをお願いします。

 

礼拝の中で、立ち上がって賛美歌を歌うところや、立ち上がって祈りを合わせるところもありますが、体が不自由な方やお疲れの方は、座ったままで大丈夫です。賛美歌、聖書、交読文は、備え付けの籠からお使いください。それでは、もうしばらくお待ちください。

 

案 内

華陽教会では、感染症対策のため、礼拝の中で四度、立ち上がって讃美歌を歌う間、会堂の窓を開放し、換気の時間を作ります。どうぞ、教会員の方は、窓の開閉にご協力ください。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、神の招きにあずかりましょう。

 

前 奏

(*奏楽者は牧師の案内のあと、前奏を弾き始めます。司式者は前奏の終わり頃に講壇へ立ち、会衆を招く準備をします。招詞の聖書箇所は読み上げる必要はありません。網かけ部分は司会が読むところ、四角部分は会衆が立つところです。(かっこ)は会衆の様子を見て省けるときは省きます。)

 

招 詞

あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。(ガラテヤの信徒への手紙3:26)

 

讃美歌

(会堂の窓を開放しましょう)マスクをお付けいただき、旧讃美歌の537番「わが主のみまえに」を歌います。諸事情でマスクを着用できない方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。差し支えない方は、お立ちください。

 

お祈り

ご着席ください。共に祈りを合わせましょう。

◆光を創造し、希望を与える神様。今日もまた、あなたによって守られて、日曜日の礼拝に集まることができ、感謝致します。どうか今、初めて来た人、久々に来た人、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの神様。先週の日曜日は、キリストの誕生を記念するクリスマスの礼拝が行われ、みんなで共に、喜びを分かち合うことができました。どうか今、当日来ることのできなかった人たちに、あなたからの慈しみと恵みがもたらされますように。

◆私たちの神様。今日は、今年最後の日曜日です。この一年間、最初から最後まで、あなたが導いてくださったことを感謝致します。どうか今、今年解決しなかったこと、新たに出てきた課題にも、あなたと共に歩みながら、取り組んでいくことができますように。

◆私たちの神様。明日から、新しい一年が始まります。この時期、風邪やインフルエンザによって、怪我や病気、障害によって、弱っている人たちに、あなたの癒しがありますように。どうか今、十分な休息と新たな力が、あなたから与えられますように。

◆私たち一人一人を起こされる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。イザヤ書11:1〜10、マタイによる福音書2:1〜12(新共同訳より抜粋)

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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交読文

詩編の言葉を読み交わしましょう。詩編145:10〜21(新共同訳交読詩編より抜粋)

『交読詩編』か『讃美歌21』の後ろの方をご覧ください。司会と会衆で交互に読んでいきますので、皆さんは一段下がったところと太字のところをお読みください。(また、Aのところは牧師が、Bのところは会衆がお読みください。ご着席のままで大丈夫です。

 

讃美歌

(会堂の窓を開放しましょう)マスクをお付けいただき、讃美歌21の366番「悔い改めつつ」を歌いましょう。最後の「アーメン」はつけずに歌います。差し支えない方はお立ちください。

 

OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

メッセージ

12月31日なのに、まだ教会の玄関に、クリスマスツリーが飾ってあるのを不思議に思う方がいるかもしれません。もう25日は終わって、明日からの正月を準備しているところがほとんどなのに、あの教会は、あの幼稚園は、まだクリスマスの片付けをしていない……そう誤解されることは、今に始まったことじゃありません。

 

実は、キリスト教会では、1月6日の夕方までクリスマスを記念し続けます。なぜならイエス様が生まれたあと、遠い東の国からやってきた異邦人、占星術の学者たちが、救い主の赤ちゃんと出会ったことを記念する日が、1月6日の「公現日」だからです。公現日という名は、救い主が世界で初めて「公に人々の前へ現されたこと」から来ています。

 

そのため、多くのキリスト教会では、クリスマスを迎えたあとの日曜日か、1月6日に近い聖日に、占星術の学者たちが訪れる聖書の箇所を読むようにしています。奇しくも、今回は、今年最後の日が日曜日となり、明日には新年を迎える大晦日に、この話が読まれることになりました。

 

聞いてのとおり、このエピソードは、星を研究する学者たちが、外国にあるイスラエルまで、はるばる旅して、救い主の赤ちゃんを拝んだあと、自分の国へ帰っていく、というストーリーです。救い主と出会って、その後の生活が一変するのではなく、再び、日常へ戻っていくという話です。

 

でも、果たしてそれでいいんでしょうか? あまり疑問を持たずに、私たちは外国から来た博士たちが、ユダヤ人の王を拝んだ話を聞いていますが、実際は、かなり衝撃的な出来事です。なぜなら、彼らの出身地である「東の方」というのは、イエス様の母国イスラエルを滅ぼしたアッシリアやバビロニア、ペルシャといった国々が存在した地域です。

 

もちろん、その地域に住む人たちが信じているのは、イスラエルの人たちが信じている神ではなく、異教の神、異なる宗教です。さらに、「占星術」というのは、イスラエル人が神から与えられた律法によって、禁じられていた行為の一つで、異なる神々を信仰している人たちを象徴するものでした。

 

加えて、その「学者たち」と言えば、王の政治的判断を占う高官であり、イスラエルでいう祭司や預言者のようなものでした。ようするに、異教の国の、異教の祭司が、救い主の誕生を知らされて、世界で初めて公に礼拝した者となった……というびっくりするような展開です。

 

普通、このあと期待されるのは、救い主と出会った彼らが回心し、異教の国の祭司も辞めて、イエス様の側で仕えるようになることです。忌むべき行為とされた占星術から足を洗い、自分の国の王ではなく、神の子である新たな王に仕えることです。ところが、救い主を拝んだ後も、神の子を礼拝した後も、彼らは今までの日常へ戻っていくだけでした。

 

そもそも、彼らをイエス様のもとまで導いたのは、彼らが生業にしていた「星を見る」という行為でした。神様に禁じられていた占いの延長で、神の子の誕生を知りました。そして、イスラエルを滅ぼし、支配してきた地域の者が、世界で初めて、救い主を礼拝した……信仰深い敬虔な人ほど、頭を抱えそうになる話です。

 

ようするに、異教徒がイエス様を礼拝して、そのまま帰っていったわけです。占星術の学者たちは、神の子と出会って喜びに溢れますが、その場で回心したり、占いを辞めたり、信仰を告白するような記述はありません。黄金、乳香、没薬という宝物はささげますが、自分たちの拝んだ幼な子が、神の子であるとはっきり信じたわけではなかったでしょう。

 

いやいや、年の終わりに、明日には新年を迎えるときに、そんな中途半端なエピソードを聞かせないでほしい。今までの人生から大きく変わって、彼らが新しく出発したという展開を聞かせてほしい……正直、そう思いたくなるところです。けれども、振り返って見れば、これが私たちの現実ですよね?

 

クリスマスに初めて礼拝へ来たからと言って、いきなり「神様を信じよう」「洗礼を受けよう」となる人ばかりではありません。何が悪いか、はっきり気づけるわけでも、悪いと思っていることを、パッとやめられるわけでもありません。私たちは皆、教会へ来たあといつものように自分の家へ帰って行きます。元の日常へ戻って行きます。

 

「ああ、せっかく礼拝へ出てきたのに、帰ったらまた、変わりたくても変われない自分がいるんだろうな」「もんもんとする日常が続くんだろうな」……心の片隅でそう思いながら、家路についた人もいるかもしれません。だからこそ、今日は占星術の学者たちを思い出してほしいんです。

 

星占いを辞めたわけでも、信仰を告白したわけでも、新しい王へ仕えるようになったわけでもない彼らが、本当に何一つ変わらない日常へ戻ったのか思い出してほしいんです。確かに、彼らの帰るところは変わりませんでした。異教の神々が拝まれている、禁じられた行為をしている自分の国へ帰って行きました。しかし、別の道を通って……。

 

ページェントでもお馴染みの有名な話ですが、占星術の学者たちが、ユダヤ人の王としてお生まれになった方を探すため、最初に訪れたのはエルサレムでした。彼らはそこで、ヘロデ王に呼び出され、「ユダヤのベツレヘムで生まれることになっている」と教えられ、「見つかったら知らせてくれ、わたしも行って拝もう」と送り出されます。

 

しかし、これはヘロデの策略でした。彼は、自分の王位を揺るがす者は、身内であろうと容赦なく処刑したことで有名です。救い主が生まれたことに気づいたときも、王位を奪われる前に殺してしまおうと、学者たちに居場所を報告させるつもりでいました。何も知らない学者たちは、王に送り出されるまま出発します。

 

けれども、救い主と出会ったあと、学者たちは夢の中で「ヘロデのところへ帰るな」とお告げを受けます。今回は「星を見る」ことによってではなく、直接夢の中で、帰り道を変えなければならないと知らされます。星が動いていないのに、自分たちの占いで得る啓示とは違うのに、彼らはそれを信じます。

 

また、よく考えたら、外国から来た高官が、他所の国で、王との約束を破って帰ったら、深刻な外交問題です。イスラエルは小さな国だから、東の大国から見れば、たいしたことにはならないと思ったんじゃないか……そう感じるかもしれません。しかし、ヘロデはローマ帝国の傀儡でしたから、国同士の力関係は複雑です。

 

どんな争いに発展するか分かりません。下手すれば、自分の国とイスラエルではなく、ローマ帝国とやり合うことになるかもしれません。にもかかわらず、学者たちはお告げを受けたあと、迷わず、別の道を通って帰ります。ヘロデに会わないで、マリアとヨセフが赤ちゃんを連れて、外国へ逃げる時間を稼ぎます。

 

確かに、占星術の学者たちは、もとの国、異教の神を信仰する地へ帰っていきました。もとの生活へ帰っていきました。しかし、その帰り道は新しく、帰った先でも、新しい生き方が待っていました。彼らは自分たちが見たこと、聞いたことを母国でも伝えて回ったでしょう。星によってではなく、夢で語られた言葉も話したでしょう。

 

それは、回心とか、改宗とか、律法に従う生き方とは違ったかもしれません。しかし、紛れもなく新しい生き方が始まっていたんです。救い主の家族が守られるように、見えないところで彼らに仕え、時間を稼いで無事を祈りました。星を頼りにできないときも、目を瞑って、神様へ尋ね求める生き方が、与えられていきました。

 

私たちも、ここから帰る場所は、いつもと変わらない家や施設かもしれません。もんもんとする日常や、困難な現実があるところかもしれません。しかし、ここから帰る道は、既に新しくされています。救い主と出会ったあなたの道は、確かに変えられているんです。新しい生き方は、もう始まっているんです。

 

共に、新しい歌を主に向かって歌いましょう。主に向かって歌い、御名をたたえ、日から日へ、御救いの良い知らせを告げていきましょう。アーメン。

 

讃美歌

(会堂の窓を開放しましょう)マスクをお付けいただき、オンライン賛美歌27番「歌い、踊り、跳ね、笑い、叫べ」(詞:柳本和良、曲:滝田真治)を歌います。差し支えない方は、お立ちください。

 

 

使徒信条

教会の信仰を告白しましょう。「使徒信条」讃美歌21の93-4Aです。オンライン賛美歌の後ろの方の2頁をご覧ください。

紹 介

本日も、初めて礼拝に来られた方、初めて配信を見られた方、久しぶりに参加された方と一緒に礼拝にあずかれたことを感謝致します。受付でご了承いただいた方のみ、配信終了後にご紹介させていただきます。ぜひ、これからも一緒に礼拝へ出られると嬉しいです。

 

とりなし

共に、神様から委ねられた、とりなしの務めを果たしましょう。オンライン讃美歌の後ろの方の1頁をご覧ください。

 

司会:神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

司会:世界の国民と政府のために祈ります。
会衆:主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

司会:世界に広がる全ての教会のために祈ります。
会衆:主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

司会:教会員のために祈ります。
会衆:主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

司会:今日ここに出席できなかった人のために祈ります。
会衆:主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、ここに見えない人たちを、あなたが癒し回復してください。

司会:身近な人のために祈ります。
会衆:主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

司会:幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。
会衆:主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

司会:苦しんでいる人のために祈ります。
会衆:主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

司会:今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。
一同:アーメン。

 

主の祈り

イエス様が教えられた『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5A。オンライン讃美歌の後ろの方の4頁をご覧ください。差し支えない方は、お立ちください。

 

 

聖句と主題

御着席ください。今年度の年間聖句を心に留めて、今週も新しく遣わされましょう。

 

年間聖句

イザヤ書43:18〜19a「初めからのことを思い出すな。昔のことを思いめぐらすな。見よ、新しいことをわたしは行う。今や、それは芽生えている」

 

年間主題

華陽教会では、今年度「新しいことを行おう」というテーマで、イザヤ書43:18〜19aを年間聖句にしています。

 

今週は、今年一年間を振り返りつつ、戦争や災害、事故や貧困で支援が必要な人たちを心に覚え、新しい年を迎える準備をしましょう。

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。クリアファイルに挟まれた封筒をご利用ください。献金に、金額に定めはありません。持ち合わせのない方は、空のまま封筒をお入れください。

 

献金の祈り(例)

愛と慈しみに満ちた私たちの神様。感謝と喜びをもって、ここに集めた献金と、私たちの生き方をおささげします。どうか、私たちの日々の生活によって、恵みの主である、あなたがあがめられますように。主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、献金の讃美歌512番「主よ、献げます」2節を歌いましょう。

 

讃美歌

「頌栄」の賛美歌25番「父・子・聖霊に」を歌いましょう。差し支えない方は、お立ちください。

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

 

派 遣

今、行きなさい。わたしはあなたを遣わす。(『讃美歌21』93-6-1 出エジプト記3:10より)

 

祝 福

主があなたを祝福し、あなたを守られるように。主が御顔を向けてあなたを照らし、あなたに恵みを与えられるように。主が御顔をあなたに向けて、あなたに平安を賜るように。(民数記6:24〜26)

 

報 告

本日も教会に集まって、また配信を通して礼拝にご参加くださり、ありがとうございます。先週の日曜礼拝は、教会に集まった48名、同時に視聴された9名、計57名が参加されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

明日、1月1日(月)は、午後2時から2階礼拝堂で元旦礼拝を行います。礼拝の中で神の祝福を分かち合い、パンと水をいただく式「愛餐式」を行います。久しぶりに帰ってきた方も、よかったらぜひ、お越しください。

 

なお、元旦礼拝が終わったあと、時間のある方は2階集会室で、牧師の作ったぜんざいを振る舞う予定です。1月3日(水)の聖書研究祈祷会は、牧師休暇のためお休みです。それではまた、日曜日まで、皆さん一人一人に、神様の平和がありますように。