聖書研究祈祷会 2022年10月12日
案 内
華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、聖書研究祈祷会を配信と並行して行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。
讃美歌
マスクをしたままで、讃美歌21の47番「神のみこころは」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。
お祈り
ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。
◆愛と平和の源である、私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。
◆私たちの神様。国と国、人と人との間で今も緊張する関係が続いています。特に、直接的な暴力にさらされているところ、武力が振るわれているところに、あなたのお守りがありますように。どうか今、平和的な解決がもたらされますように。
◆私たちの神様。事故や災害に苦しむ人へ、あなたの慈しみがありますように。特に、ニュースや新聞で話題にならないところにも、あなたの癒しの御手が差し伸べられますように。どうか今、私たちを必要なとき、必要な仕方で遣わしてください。
◆私たちの神様。来週は、岐阜地区の交換講壇が行われます。蘇原教会から華陽教会へ来られる川上野ゆり先生や、それぞれの教会へ遣わされる牧師、それぞれを迎えてくださる教会員に、あなたの導きが豊かにあって、共に豊かな礼拝をささげられますように。
◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
聖書朗読
聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録7:54〜8:1の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。
*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。 |
メッセージ
世界宣教の第一人者が、初めて殉教した人の殺害に賛成していた……これって、かなり衝撃的な展開です。この後、9章から活躍が描かれていくパウロ、またの名をサウロという人物ですが、知ってのとおり、彼は、ユダヤ人以外の異邦人や外国人に対し、最も精力的にキリスト教を伝えていき、各地へ教会を建てた人です。
復活したキリストの幻と出会い、13人目の「使徒」とも言われたあのパウロが、殉教者の殺害に賛成し、加担していたという報告は、なかなか思い切った記述です。実際には、「ユダヤの諸教会の人々とは面識がなかった」とガラテヤの信徒への手紙に書かれているので、この場にパウロがいた可能性は低いですが、いずれにしても賛成はしたでしょう。
このシーンを見る限り、パウロは明らかに「サタン」や「悪魔」と言われても仕方のない登場の仕方をしています。ステファノが神について、キリストについて証をし、拒絶した群衆が襲いかかって、石を投げつける中、まるで勇者の処刑を見つめる魔王のように、パウロは人々の着物を敷物にして座っています。
いつだったか、イエス様がエルサレムへ入城してきたとき、人々がその足元に着物を敷いて迎えたことへの当てつけのようにも見えてきます。また、ステファノの処刑後には、エルサレムの教会に対する大迫害が始まり、パウロは家から家へと押し入って教会を荒らし、男女を問わず引きずり出して、牢に送って行くんです。
これでもかと言うほど「反キリスト」ですよね? ヨハネによる福音書で、イエス様を裏切ろうとしているユダが「悪魔だ」と言われている箇所もありますが、そのユダよりもずっと積極的に、パウロはイエス様を攻撃します。ここで殺されているのは、イエス様本人ではありませんが、誰が見ても、キリストの死を彷彿とさせる場面です。
ステファノは人々から石を投げつけられて死ぬ際、イエス様に向かって、「わたしの霊をお受けください」「この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫びます。これは、十字架にかけられたイエス様が、神様に「わたしの霊を御手にゆだねます」「彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」と叫んだ言葉に重ねられています。
つまり、この場面でステファノの殺害に加担することは、キリストの死に加担するのと等しい行いであることが暗示されているんです。実は、聖書の中で「使徒」と紹介される人物において、最も積極的にキリストを攻撃し、キリストに反する行いをしたのが、サウロであり、パウロでした。
こうして見ると、イエス様から直接、弟子として選ばれた「使徒」と言われる人たちには、「サタン」「悪魔」「迫害者」と呼ばれる人たちが、3人も含まれていたことが分かります。最初に「サタン」と言われたのはペトロでした。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている」(マタイ16:23)
イエス様から名指しでそう指摘され、叱られた弟子が、イエス様を見捨てて逃げた後も「わたしに従いなさい」と迎えられ、宣教者として送り出されます。神のことを思わず、人間のことを思っていると指摘したのに、その人が自分を見捨てても、イエス様は変わらず弟子として迎えに来ます。変わらず期待して送り出します。
また、イエス様から「悪魔だ」と言われたイスカリオテのユダは、聖餐式の原型となった最期の晩餐で、キリストの体として、血潮として、直接渡されたパンとぶどう酒を受け取って出て行きます。そのぶどう酒は、イエス様が弟子たちの前で、神の国であなたがたと再び飲むと宣言した、神の国の食卓の先取りでもありました。
さらに、イエス様が天に昇って見えなくなった後、キリストを信じる者を、老若男女問わず捕まえていたパウロは、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかけられ、異邦人やイスラエルの子らにイエス様の教えと業を伝えるため、送り出されます。サタンであり、悪魔であり、迫害者であった人たちが、キリストの弟子にされています。
とても不思議な記述です。聖書には繰り返し、神に背き、キリストを拒絶した人たちが神の国から締め出され、燃える炎の中に投げ込まれるような記述が出てきます。一方で、神に背き、キリストを拒絶した人たちが、どこまでも神様に呼びかけられ、イエス様が付き合い続ける様子も書かれています。
イエス様は信じない者が信じる者となるように、拒んでいる者が受け入れる者となるように、背いている者が従う者となるように、どこまでも呼びかけ続け、付き合い続け、変化と回復をもたらしてくださいます。サタンと呼ばれ、悪魔と呼ばれ、迫害者であった人たちも、キリストの弟子として受け入れられ、新しくされ、神の国の食卓に招かれます。
教会に来て、神様を信じている私自身も、キリストに反する行いや、神様に背く思いを持ってきました。これからも、信じること、従うことができなくなるときがあるかもしれません。もう手遅れだ、取り返しがつかないと、自分自身も、周りも思うことが出てくるかもしれません。
それでもなお、イエス様は私を変えてくださいます。かつて、自分が殺害することに賛成してしまった殉教者と、同じ食卓につけるように、信じられない変化と回復をもたらします。パウロと他の弟子たちの間に、他の信徒たちの間に起こされた奇跡が、私たちの間にも起こされます。この方は私たちの想像を超えて、期待を超えて、働きかけます。
どうか、救いを信じられなくなった人たちの間に、キリストの呼びかけが届きますように。どうか、サタンや悪魔と呼ばれる人たちの間に、変化と回復がもたらされますように。どうか、私たちが互いに期待できない和解や平和が実現されますように。その日が来るまで、共にとりなし合わせてください。主イエス・キリストの御名によって。アーメン。
とりなし
共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(東京都町田市の成瀬が丘教会)のために、幼稚園のために、学校のために、病院のために、祈りを合わせましょう。
◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。
◆東京都町田市の成瀬が丘教会のために祈ります。新しい形で信徒や新来者の交流を深めることができますように。受洗者が起こされ、子どもたちが健やかに成長することができますように。
◆幼稚園のために祈ります。再び、寒い季節になってきます。子どもたちを風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスから守ってください。子どもたちみんなが、これから迎える行事一つ一つを楽しむことができますように。
◆学校のために祈ります。勉強が苦手な人、行事が苦手な人、集団行動が苦手な人に、それぞれ安心できる居場所と、信頼できる仲間がもたらされますように。色々な課題に向き合っている保護者や先生、職員にも、あなたのお支えがありますように。
◆病院のために祈ります。一人一人の患者に向き合って、日々四苦八苦している医療従事者やスタッフの上に、あなたの慈しみがありますように。患者も、家族も、スタッフも、蔑ろにされることのないよう、それぞれに助けと導きがありますように。
◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
讃美歌
マスクをしたままで、オンライン賛美歌24番「イェスは今日あなたを」(©️柳本和良)を歌います。
主の祈り
共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。
主の祈り93-5A
天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。
日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳
天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。
報 告
本日も、教会に集まって、また配信を通して、聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、教会に集まる集会を再開しています。
来週の日曜日は、岐阜地区を覚える月間の交換講壇として、蘇原教会から川上野ゆり先生が来られて、メッセージをしてくださいます。配信は、ホームページから教会員のみ限定公開で見られるようにする予定です。パスワードを忘れた方はご連絡ください。
当日の出席は、教会学校こども会も日曜礼拝も、問い合わせなしで参加できるようにしています。興味のある方はぜひ、お待ちしています。また日曜日まで、皆さん一人一人に、神様の平和がありますように。