ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『聞き従わなきゃ滅ぼされる?』 使徒言行録3:21〜26

聖書研究祈祷会 2022年6月15日


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案 内

華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、3回目のワクチン接種を受けた人たちで、聖書研究祈祷会に集まっています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の503番「ひかりにいます主」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

 

◆父・子・聖霊なる私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。

◆私たちの神様。先日は、花の日こどもの日の礼拝を、教会に集まって行うことができ、感謝致します。なかなか教会に来ることができない子どもたちにも、あなたの祝福がありますように。どうか今、子どもたち一人一人に、自信と夢が与えられますように。

◆私たちの神様。父の日に子どもと過ごせなかった人や、両親と過ごせなかった子に、あなたの慈しみがありますように。どうか今、全ての家族にあなたの御手が差し伸べられ、必要な変化と回復がもたらされますように。

◆私たちの神様。クーデターによる戦闘に巻き込まれたミャンマーの人々、宗教や少数民族の弾圧が続くチベットの人々、今も攻撃を受け続けているウクライナの人々に、あなたのお守りがありますように。どうか今、一刻も早く平和がもたらされますように。

◆私たちを支え、導き、送り出すイエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録3:21〜26の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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truthseeker08によるPixabayからの画像

メッセージ

もし、ある人が「誰々の言うことには何でも聞き従え。聞き従わなければ皆、滅ぼされる……」と言い出したら、皆さんはどう思うでしょうか? たぶん、カルトのメンバーか狂人の発言だと思うでしょう。ところが、聖霊を受けたキリストの弟子は、現代の私たちが聞くと、非常に恐ろしくなる言葉を平気で口にしてきます。

 

「彼が語りかけることには、何でも聞き従え。この預言者に耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる……」ここで言う「彼」とは、弟子たちが聖霊を受ける10日前に、天へ昇って姿を消した救い主イエス・キリストを指しています。イエス様が見えなくなってから、初めて神殿へやってきたペトロたちは、ずいぶん過激なことを語ります。

 

「あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、私のような預言者をあなたがたのために立てられる。彼が語りかけることには、何でも聞き従え。この預言者に聞き従わない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる……」

 

これが、路上でマイクを片手に喚き散らしているだけの人なら、「また何か変なこと言う奴が現れたなぁ……」で済みますが、彼らはつい先ほど、40年間歩くことができなかった、足の不自由な男を立ち上がらせ、人々の注目を集めていました。また、数日前に聖霊を受けて、今まで話せなかった外国の言葉で、急に話し出した人物でもありました。

 

エルサレムで、多くの不思議な業としるしを行ってきた者が、処刑されたイエス様のように捕まる危険がある中で、堂々と神殿の中へやって来て、ユダヤ人たちに姿を現し、メッセージを語り始める……これは確かに無視できません。無視できませんが、言われていることはやはり、どこかのカルトのような、脅しの文句に聞こえてきます。

 

ペトロは、集まってきた群衆に向かって、神の声を聞いた祖先は、次のように言っていたと話ます。「あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、わたしのような預言者をあなたがたのために立てられる……」その預言者とは、ペトロたちが従ってきたイエス・キリストで、神がご自分のために立てられた僕であると話します。

 

モーセをはじめとする預言者は、その方が語りかけることに、何でも聞き従うよう人々に命じていた……この方に耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされると言われていた……ようするに、みんなも自分たちのように、イエス様の言うことに従わないと、滅ぼし絶やされてしまうと言うわけです。

 

ところが、これはもう「今更」な話でした。前回読んだ、ペトロの言葉にも出てきたように、エルサレムに集まっていた人々は、イエス様の言うことに耳を傾けず、敵へ引き渡してしまいました。彼らは、祭司長や律法学者に扇動されて、神を冒涜した人物として、キリストを「十字架につけろ」と訴えかけ、処刑に至らせてしまいました。

 

「この預言者に(イエス様に)耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる」……その預言が本当であるなら、ペトロたちのもとに集まってきたエルサレムの人々は、既に結末が決まっています。あのとき耳を傾けず、聞き従わず、その面前で拒んでしまった自分たちは、死に引き渡してしまった私たちは、このまま滅ぼし絶やされる……。

 

ところが、ペトロはイエス様を十字架につけた人々に、イエス様が遣わされたのは、あなたがたを滅びに引き渡すためではなく、祝福にあずからせるためだったと語ります。神は、ご自分の独り子に耳を傾けなかった、キリストを拒んでしまったあなたがたに、まずこの方を遣わしてくださった……この方の名を現してくださった……。

 

ペトロの言葉は、非常に説得力がありました。なぜなら、彼もまた、イエス様の言葉に聞き従わず、イエス様を三度知らないと拒絶した人でもあったからです。彼は、自分が捕まるのを恐れて逃げ出したにもかかわらず、イエス様を拒んだにもかかわらず、復活したキリストが、まず自分たちへ会いに来てくれた光景が、魂に深く刻まれていました。

 

イエス様の言うことに何でも「はい」と言えなかった。むしろ、「そんなことがあってはなりません」と抵抗したり、「何を言っているのか分からない」とこぼしていたような自分たちが、滅ぼし絶やされる者ではなく、祝福を受ける者として、平和を宣言されたこと。神の国から拒絶される者ではなく、神の国へ人々を導く平和の使者にされたこと。

 

そのことを思い出しながら、神殿にいる同胞たちにも、イエス様が訪れたことを伝えます。「地上のすべての民族は、あなたから生まれる者によって祝福を受ける」……神の子を死に引き渡した、十字架につけてしまったあなたのことを、キリストは新たに生まれ変わらせ、祝福を分かち合う者とする。

 

聖霊を受けてから、ペトロとヨハネが初めて神殿で語ったメッセージは、イエス様の言うことを聞けなかった、イエス様を拒んでしまった人たちに対する、裁きや脅しではありません。むしろ、救い主はまず、あなたがたのもとに来た……あなたがたを悪から離れさせ、祝福を受け取らせるために来た……そのことを力強く証します。

 

皆さんも、神様が言葉をあずけてきた先人たちの子孫であり、契約の子です。全ての者は、神様から離れたまま、救い主を拒んだまま、滅んでいくことはできません。この方は真っ先に、滅びる者が祝福を受けるように、死を超えて、隔たりを超えて、やって来られる方だからです。

 

そして次はあなたから、良い訪れを知る者が、祝福を受ける者が現れます。さあ、キリストの平和の使者として、あなたも立ちあがり、行きなさい。

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(神奈川県鎌倉市の鎌倉雪ノ下教会)のために、子どもたちのために、保護者のために、家族が召された人のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆神奈川県鎌倉市の鎌倉雪ノ下教会のために祈ります。教会に集う一人一人が、あなたの愛と力を受けて、豊かに用いられますように。あなたの助けを必要とする全ての人に、慰めと励ましがもたらされますように。

◆子どもたちのために祈ります。保育園、幼稚園、学校、大学、それぞれの場所で、子どもたちが新しい発見と喜びを見つけていくことができますように。学校へ行くことができない人にも、あなたの恵みがもたらされますように。

◆保護者のために祈ります。子育て、家計、身内との関係に悩んでいる人たちへ、あなたのお支えがありますように。弱った体や傷ついた心が癒されて、必要な気づきや助けが与えられますように。

◆家族が召された人のために祈ります。大切な人に先立たれ、心の整理がつかない人に、あなたの憐れみがありますように。思い出す時間、忘れる時間を恐れなくていい日が来ますように。共に甦る日の希望があなたから与えられますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌24番「イェスは今日あなたを」(©️柳本和良)を歌います。

 

 

主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。

 

主の祈り93-5A

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。


日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳

天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。

 

報 告

本日も、聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった3名、同時に視聴された3名、計6名が参加されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

華陽教会では感染症対策をした上で、聖書研究、日曜礼拝、キリスト教ABC講座に、3回目のワクチン接種を終えた人たちで集まっています。引き続き、配信を通して参加することも可能です。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。