ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『夢に出たのは天使じゃない』 使徒言行録16:6〜10

聖書研究祈祷会 2023年7月5日


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案 内

華陽教会では、賛美中のマスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、聖書研究祈祷会を配信と並行して行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、讃美歌21の528番「あなたの道を」を歌います。諸事情でマスクの着用ができない方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

◆癒しと回復をもたらす、私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。

◆私たちの神様。7月に入り、「岐阜地区を覚える月間」を迎えました。23日には、地区の交換講壇が行われ、各教会の信徒と牧師が交流します。どうか今、コロナ禍でなかなか会えなかった人たちと、互いに希望と励ましを分かち合うことができますように。

◆私たちの神様。今月は、22日の土曜日に、芽含幼稚園の同窓会を3年ぶりに再開しようとしています。どうか今、久しぶりに会う子どもたちと、保護者や先生との間に、豊かな恵みと交流がもたらされますように。

◆私たちの神様。急な気温や天候の変化で、体がついていかない人に、あなたの憐れみがありますように。どうか今、一人一人の心と体が守られて、必要なときに休む力と、再び立ち上がる力がもたらされますように。

◆全ての者をとりなされる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録16:6〜10の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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NoName_13によるPixabayからの画像

メッセージ

イエス様から、「神の言葉」「聖書の言葉」を語らないよう命じられ、伝道を禁じられた場所……神様の教えと業を伝えることができない場所……そんなところがあるとしたら、皆さんはどう思うでしょうか? 世界中どこでも、神の国について、聖書の教えについてみんなが聞くようになることを、神様は望んでいたんじゃなかったのか? 
 
地の果てに至るまで、全ての国民に、福音が、良い知らせが伝えられるよう、弟子たちを派遣したんじゃなかったのか? そのような疑問が出てくると思います。しかし実際、使徒言行録16章6節には、パウロとテモテが、アジア州で御言葉を、イエス様の教えと業を伝えることが、禁じられたと書かれています。
 
また、7節では、2人がビディニア州に入ろうとしたとき、「イエスの霊がそれを許さなかった」と出てきます。イエス様は、ユダヤ人だけでなく、異邦人にも教えを語り、病気を癒し、救いを示してきたはずなのに、なぜ、ここではそれらが禁じられてしまうのか? 聖霊に妨げられてしまうのか、モヤモヤした違和感が残ります。
 
それは、読者の私たちだけでなく、当事者であるパウロとテモテもそうだったでしょう。アンティオキアをはじめとして、あちこちでイエス様の教えと業を語ってきたのに、なぜここでは、語ることが許されなくなったのか? この人たちにメッセージを語らなくてもかまわないのか? 2人もモヤモヤしたはずです。
 
せっかく、その地方に住むユダヤ人にも受け入れられるよう、パウロに同行するテモテへ割礼まで受けさせたのに、無駄になってしまいます。アジア州やビティニア州の会堂にいるユダヤ人たちとほとんど会えず、話もできなかったからです。誰と一緒に行くかで言い争い、異邦人に対する態度で仲違いし、バルナバから離れて出発したパウロは、すぐに自分の行く道が正しいか、自信がなくなってきたはずです。
 
もしかして、私はとんでもない過ちを犯したんじゃないか? バルナバがマルコを連れていくのに反対したのは、間違っていたんじゃないか? バルナバが異邦人と食事をするのを控えたことに反対しながら、自分もユダヤ人の手前、テモテに割礼を受けさせたことは、ふさわしくなかったんじゃないか?
 
自分が選び、自分が考え、自分が計画したやり方こそ、正しい道だと信じ込んでいたパウロは、ことごとく計画通りに行かず、連れてきたテモテも気まずくなります。パウロが行こうとした道は行けなくなり、全く計画していなかった道を歩かされ、どうやら、自分たちの予定は、神様の意志から大きく外れていたことが明らかになります。
 
もうそろそろ、パウロがイエス様の幻と出会って、見えなくされたときのように、再びキリストが姿を現すか、天の使いが現れて、自分たちの道を示そうとするはずです。あなたの行く道はそっちじゃなくて、こっちの道だと言われるはずです。おそらく、ミシア地方を通ってトロアスまでやって来たときには、パウロも覚悟していたでしょう。
 
さあ、神様のお告げを受けて、本当はどこへ、誰と行けばいいのかちゃんと聞こう……すると、まもなく、パウロは幻を見せられ、次に行くべき場所を知らされます。ところが、その場所を知らせてきたのは、イエス様の幻でも、夢に現れた天使でもなく、全く知らないマケドニア人の男でした。
 
「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」……これにはパウロもびっくりしたはずです。聖書には色んな夢が出てきますが、誰かから何かお告げを受けるという夢では、たいてい天使が現れます。イエス様の母親であるマリアのときも、父親であるヨセフのときも、最初にキリストを拝んだ博士たちも、天使からお告げを受けました。
 
ところが、パウロの夢に出てきたのは、天使でも、イエス様でもなく、何なら預言者でさえありません。助けを求める異邦人です。しかも、最初に伝道しようとしていたアジア州でも、ビティニア州でもなく、マケドニア州に住んでいる男です。知り合いも、友人もいない土地へ行って、話したことのない人を助けてほしいと言われます。
 
否定しようと思ったら、できたかもしれません。これは、神様から直接言われたことじゃない。イエス様の幻から言われたことでもない。天使が命じたことでもない。勝手に夢へ現れた、見知らぬ異邦人に言われたことだ。神の言葉として受け取る必要があるだろうか……でも、パウロは目が覚めるとすぐ、出発します。
 
「夢でマケドニア人が立って、私たちを呼んでいた」とテモテに告げて、そこへ行くことを決断します。テモテも戸惑ったかもしれません。えっ、天使が命じたり、イエス様が命じたんじゃなくて、マケドニア人が言ったんですか? 神様は、天の使いや預言者じゃなくて、ただ困っている異邦人に、どこへ行けばいいか告げさせたんですか?
 
そうなんです。神様は、困っている人を預言者のように、天使のように、イエス様のように遣わして、パウロたちへ自分の計画を知らせたんです。あなたが呼ばれているのは、この人たちのいるところだ。この人たちへ語ってほしい。この人たちが、あなたの行くべき道を示している。
 
パウロは、見知らぬマケドニア人の頼みを、イエス様の教えと業を聞いたこともない異邦人の懇願を、神の言葉として受け取りました。それが、紛れもなく、神によって、聖霊によって導かれた言葉だと受け取りました。何が正しいか見失い、行くべき道も分からなくて、彷徨っている自分にも、神様が使命をもたらされるように、この人も神様によって自分と出会わされたんだと。
 
私たちも、思ってもない人から、神様の計画に参加させられることがあります。自分を頼ってきたはずの人から、自分が救おうとしていたはずの人から、行くべき道を告げ知らされ、新たな気づきをもたらされ、キリストの証人として立たせられることがあります。私もそうです。
 
多くの方は自覚がないでしょうが、祈祷会での質問や、何気ない教会での会話、手紙や電話で受け取った皆さんからの言葉によって、私も神様の計画に参加させられ、道を正され、歩まされています。どうか、今日も、これからも、一緒に、行くべき道を歩ませてください。あなたの言葉が、私の言葉が、聖霊によって整えられますように。アーメン。

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(福島県須賀川市の須賀川教会)のために、田瀬教会のために、付知教会のために、坂下教会のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆福島県須賀川市の須賀川教会のために祈ります。4月に新しい牧師を迎え、気持ち新たに歩み始めた教会に、あなたの祝福がありますように。教会と共に歩む3つの子ども園にも、あなたの恵みが豊かにありますように。

◆田瀬教会のために祈ります。礼拝の配信について、試行錯誤を続けている教会に、あなたの支えがありますように。月一回の合同礼拝や各教会との助け合いが、豊かに、誠実に進められますように。

◆付知教会のために祈ります。上下水道やポンプの修繕を何とか終えた教会に、あなたの支えがありますように。建物の維持や牧師の謝儀など、必要な経費が、少ない人の負担ではなく、みんなで支え合うことができますように。

◆坂下教会のために祈ります。玄関前の補修など、いくつかの工事を行った教会が、これからも守られますように。教会へ来る高齢者や新来者が、気持ちよく、安心して、礼拝へ出られますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、オンライン賛美歌1番「枯れた谷に鹿が」(©️柳本和良)を歌います。

 

 

主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。オンライン賛美歌の後ろの方の4頁にも掲載しています。主の祈り……

 

 

報 告

本日も教会に集まって、また配信を通して、聖書研究祈祷会にご参加くださり、感謝致します。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった4名、同時に視聴された3名、計7名が参加されました。後から動画や原稿を見て祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

配信終了後、時間のある方は14:30まで、聖研の質問や感想、キリスト教について気になっていることなど自由に聞ける第二部「分かち合い」の時を開きます。人前でお祈りするのを遠慮したい方は、飛ばしてもらうこともできます。よかったらぜひご参加ください。

 

それではまた、日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。