ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『同じ思いを抱けない』 フィリピの信徒への手紙4:1〜7

岐阜地区交換講壇(中濃教会) 2023年7月23日

Michal JarmolukによるPixabayからの画像

 

説 明

教会にお集まりの皆さん、おはようございます。オンラインで配信を見ている方も、おはようございます。まもなく、10:30から礼拝が始まります。礼拝の最中は、携帯をマナーモードにしていただき、後から来た人も座れるように、席の譲り合いをお願いします。

 

礼拝の中で、立ち上がって賛美歌を歌うところや、立ち上がって祈りを合わせるところもありますが、体が不自由な方や疲れている方は座ったままで大丈夫です。賛美歌、聖書、交読文は、備え付けの籠からお使いください。それでは、もうしばらくお待ちください。

 

案 内

華陽教会では、賛美中のマスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、日曜日の礼拝も配信と並行して行っています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、神の招きにあずかりましょう。

 

前 奏

(*奏楽者は牧師の案内のあと、前奏を弾き始めます。司式者は前奏の終わり頃に講壇へ立ち、会衆を招く準備をします。招詞の聖書箇所は読み上げる必要はありません。網かけ部分は司会が読むところ、四角部分は会衆が立つところです。(かっこ)は会衆の様子を見て省けるときは省きます。)

 

招 詞

見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。(詩編133:1)

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、讃美歌Ⅱ編の154番「あめつち造りし」を歌います。諸事情でマスクを着用できない方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。差し支えない方は、お立ちください。

 

お祈り

ご着席ください。共に祈りを合わせましょう。

◆愛と平和の源である、私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、日曜日の礼拝を始めることができ感謝いたします。どうか今、初めて来た人、久々に来た人、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの神様。今日は、「岐阜地区を覚える月間」の交換講壇として、中濃教会に迎えられ、共に礼拝に集えたことを感謝致します。どうか今、中濃教会で迎えてくださった会衆と、西川幸作先生の上に、あなたの恵みが豊かにありますように。

◆私たちの神様。今日は、華陽教会では、多治見から来られた福井智先生がメッセージをしてくださいます。どうか今、福井先生の上にあなたの力と聖霊が注がれ、先生のおられる地域も、愛と平和で満たされますように。

◆私たちの神様。今日は、隠退教師の鈴木重正先生も、飛騨高山教会でメッセージ奉仕をなさっています。どうか今、鈴木先生と、一緒に行った役員と、高山で迎えてくださる会衆に、あなたの慈しみが豊かにありますように。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。フィリピの信徒への手紙4:1〜7(新共同訳より抜粋)

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。交読詩編も同様に後からカットしています。

www.bible.or.jp

交読文

詩編の言葉を読み交わしましょう。詩編97:7〜12(新共同訳交読詩編より抜粋)

『交読詩編』か『讃美歌21』の後ろの方をご覧ください。司会と会衆で交互に読んでいきますので、皆さんは一段下がったところと太字のところをお読みください。ご着席のままで大丈夫です。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、讃美歌21の419番「さあ、共に生きよう」を歌いましょう。差し支えない方は、お立ちください。

 

メッセージ

「主において同じ思いを抱きなさい」……エボディアとシンティケ、2人の女性の名を挙げて、パウロが手紙で告げた言葉は、いくらか私たちをドキッとさせます。名指しで、誰かと誰かが言及される。たとえば、知っている人で言い換えてみましょう。「わたしは、西川幸作に勧め、また柳本伸良に勧めます。主において同じ思いを抱きなさい」

 

手紙を読んだ岐阜地区の皆さんは、まず、こう思うでしょう。ああ、この2人の間に何かあったな、と。何かで2人は衝突し、対立し、一致することができないようだ……と。一番びっくりするのは、名指しで手紙に記された、私と西川先生です。えっ、みんなの前で、私とこの人のことを言っちゃうんですか? そんなの公開処刑ですよ……。

 

実際、名指しで手紙に記されたエボディアとシンティケはびっくりしたでしょう。教会の中で回覧される手紙に、私たちの名前が載っている。いったいこのあと、何を言われるのか? 何を暴露されるのか? もう胸はドキドキで、顔も真っ赤です。手紙を読み上げて聞いている、教会の人たちもザワザワします。

 

あるいは、意外と落ち着いていたかもしれません。半笑いで聞いていたかもしれません。2人は有名人でした。パウロと一緒に伝道し、イエス様の教えと業を語るため、様々な困難を乗り越えて、フィリピの教会を、ヨーロッパで最初にできた教会を、支えてきた2人でした。戦場を駆け抜けてきた戦友のような、たくましい女性たちです。

 

けれども、いつの頃からか2人は対立し、その噂は、獄中にいるパウロの耳にまで入ってきました。それだけ、2人が一致できない状況は知れ渡っていたということです。もとから、喧嘩も多かったのかもしれません。12弟子もよく喧嘩しましたし、フィリピの人たちも「ああ、ついに2人の喧嘩に触れちゃうか」くらいの反応だったかもしれません。

 

しかし、パウロは2人の名前を挙げることで、笑いを取るわけでも、公開処刑するわけでもなく、真摯に、切実に、お願いします。「あの2人の話」「あの2人の問題」と思って聞いていた人たちを容赦なく巻き込みます。「なお、真実の協力者よ、あなたにもお願いします。この二人の婦人を支えてあげてください。」

 

「協力者」という言葉は、「同じ軛(くびき)につながれた者同士」「同じ荷物を運んでいる者同士」という意味で、信仰生活を支え合う相手のことを指しています。つまり、同じ教会にいる「あなた」に言っています。「この二人の婦人を支えてあげてください」「私は無関係ですと言わないで、あなたも二人を支えてください」

 

厄介な要求です。そんな……私は別に牧師じゃないし、役員でもないし、一介の信徒に過ぎません。一致できない二人のことを、どう支えたらいいか分かりません。どっちが正しくて、どっちが間違っているかも分かりません。仲裁なんて、とてもできそうにありません。とりなす方法が分かりません。

 

当たり前です。誰かと誰かの言い分を聞いて、何が正しく、何が間違っているか裁くことも、誰かと誰かの間に入って、仲直りさせることも、実はほとんど不可能です。どっちかに味方して、どっちかの敵になり、あるいは、どっちの味方にもなれないか、どっちとも距離を置きたくなるのが普通です。

 

実は、パウロも2人の騒動について、具体的なことは触れません。エボディアがどんなことをして、シンティケがどんな反応をしたか? シンティケがどんな主張をして、エボディアがどんな反論をしたか? 「問題はこれだ」と示しません。「お互いを許せ」とも言いません。「意見を合わせろ」とも言いません。ただ、こうお願いします。

 

「主において同じ思いを抱きなさい」……主において、神において、同じ思いを抱きなさい。それは、2人が持っているそれぞれの意見を一致させろということではありません。人間の意思や意見を同じにしろと言っているのではありません。初めに神様が抱かせてくれた思い、もともと何によって一致していたかを、思い出しなさいということです。

 

2人は神様を信じています。パウロから聞いたイエス様の教えと業を、みんなで分かち合いたいと願っています。それは、2人の意思からではなく、神様から、主によって起こされた思いです。伝道のやり方や、組織のあり方について、違う意見にはなるけれど、この人も私と同じく、神の恵みを、みんなで分かち合うために出発している。

 

だから、パウロは何を目標としていたか、何のために走ってきたか、直前の文章で思い出させます。私たちは、キリスト・イエスに捕らえられて走ってきた。イエス様が再び来るとき、共に復活させられ、神の国へ迎えられるように、教えを伝え、走ってきた。この人も、あの人も、一緒に神の国へ迎えられるよう、ずっとみんなで走ってきた。

 

パウロは、エボディアとシンティケについても、はっきり言います。「二人は、命の書に名を記されているクレメンスや他の協力者たちと力を合わせて、福音のためにわたしと共に戦ってくれたのです」……仲間なんです。私と一緒に、あなたたちのために、戦ってくれた仲間なんです。対立している二人から離れないで、二人を支えてあげてください。

 

もしかしたら、フィリピの信徒たちは、二人のことを避けるようになっていたのかもしれません。下手に声をかけたら、どっちの味方をさせられるか、分かったもんじゃない。教会を厄介な争いに巻き込むくらいなら、早く出ていってくれないか? いっそ、どっちか休んでくれないか? そんな態度を取りかけた人も、いるかもしれません。

 

しかし、パウロは二人を愛し、信頼し、期待して言います。「主において同じ思いを抱きなさい」「この二人の婦人を支えてあげてください」……どうか、離れないでください。二人へ声をかけてください。一緒に教会で過ごしてください。あなたが隣人でいてください。「あなたがたの広い心がすべての人に知られるようになさい。主はすぐ近くにおられます。」

 

そう、すぐ近くにおられます。気の利いた言葉が出てこなくても、ただ、挨拶するしかできなくても、相手の言葉に、どう反応したらいいか分からなくても、あなた一人がそばにいるのではありません。救い主イエス・キリストが、あなたたちのそばにおられます。あなたがたの間におられます。

 

岐阜地区でもそうです。自分の教会の中で、あるいは他の教会との間で、一致できないことがあります。衝突し、対立し、周りもどうしたらいいか分からなくなります。気がついたら、そこには触れないように、名前も出さないように、離れて過ごそうとしてしまいます。しかし、神様は、この人と私との間におられ、扉を叩くのを待っています。

 

同じ思いを抱けない……そんな場面に、私たちは日常的に遭遇します。しかし、それは人の思いであって、神様によって抱かされた、イエス様と出会って湧き上がった、最初の思い、救いに導かれる信仰は、同じです。この人と、私との間に、イエス・キリストが立っている。私たちの間に、救い主が居てくださる。

 

その事実を胸に抱いて、求めているものを、神に打ち明けていきましょう。あの人と、この人と、隣人(となりびと)になりましょう。パウロも手紙で伝えています。「あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう」……アーメン。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、オンライン賛美歌21番「心騒ぎ不安になる夜に」(©︎柳本和良)を歌います。差し支えない方は、お立ちください。

 

 

使徒信条

教会の信仰を告白しましょう。「使徒信条」讃美歌21の93-4Aです。オンライン賛美歌の後ろの方の2頁をご覧ください。

紹 介

本日も、初めて礼拝に来られた方、初めて配信を見られた方、久しぶりに参加された方と一緒に礼拝にあずかれたことを感謝致します。受付でご了承いただいた方のみ、配信終了後にご紹介させていただきます。ぜひ、これからも一緒に礼拝へ出られると嬉しいです。

 

とりなし

共に、神様から委ねられた、とりなしの務めを果たしましょう。オンライン讃美歌の後ろの方の1頁をご覧ください。

 

司会:神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

司会:世界の国民と政府のために祈ります。
会衆:主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

司会:世界に広がる全ての教会のために祈ります。
会衆:主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

司会:教会員のために祈ります。
会衆:主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

司会:今日ここに出席できなかった人のために祈ります。
会衆:主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、ここに見えない人たちを、あなたが癒し回復してください。

司会:身近な人のために祈ります。
会衆:主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

司会:幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。
会衆:主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

司会:苦しんでいる人のために祈ります。
会衆:主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

司会:今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。
一同:アーメン。

 

主の祈り

イエス様が教えられた『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5A。オンライン讃美歌の後ろの方の4頁をご覧ください。差し支えない方は、お立ちください。

 

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。クリアファイルに挟まれた封筒をご利用ください。献金に、金額に定めはありません。持ち合わせのない方は、空のまま封筒をお入れください。

 

献金の祈り(例)

神様、私たちが持っている物は皆、あなたからいただいたものです。今、私自身の生き方をあなたの御用のためにおささげします。どうか、ここに献げた献金も、あなたの求めていることに用いてください。主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをお付けいただき、献金の讃美歌512番「主よ、献げます」2節を歌いましょう。

 

讃美歌

オンライン賛美歌10番「祝福」を歌いましょう。(A)のところは牧師が、(B)のところかは会衆が歌います。差し支えない方はお立ちください。

 

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

 

派 遣

わたしが愛し、慕っている兄弟たち、わたしの喜びであり、冠である愛する人たち、このように主によってしっかりと立ちなさい。(フィリピの信徒への手紙4:1より)

 

祝 福

願わくは主があなたがたを祝福し、あなたがたを守られるように。

願わくは主が御顔を向けてあなたがたを照らし、あなたがたを恵まれるように。

願わくは主が御顔をあなたに向けて、あなたに平安を賜るように。アーメン)

(民数記6:24〜26より)