ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『使徒と預言者って何者ですか?』 ローマの信徒への手紙12:6〜8、エフェソの信徒への手紙4:10〜16

聖書研究祈祷会 2021年6月30日


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案 内

華陽教会では、岐阜県の医療提供体制を踏まえて、本日まで、会堂に集まる集会を休止し配信等による在宅聖研を行っています。共に今、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

讃美歌21の341番「来たれ聖霊、わが主よ」を歌いましょう。讃美歌21をお持ちでない方は、そのままお聞きいただき、心で賛美をささげましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

 

◆愛と平和の源である私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて在宅聖研祈祷会を開くことができ、感謝致します。どうか今、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの神様。来週から、会衆が集まる小規模礼拝と聖書研究祈祷会を再開します。どうか今、久しぶりに集まろうとしている人、初めてここに来ようとしている人を祝福し、豊かな恵みをもたらしてください。

◆私たちの神様。集会再開後も、すぐには教会に来られない人がいます。本調子でない人、車がない人、仕事・子育て・介護などで、家を開けられない人がいます。どうか今、その人たちとも、一緒に恵みを分けられるよう、私たちを動かしてください。

◆私たちの神様。感染症の収束を目指して、多くの方が努力しています。今までなかった選択肢や、新しい取り組みも生まれています。どうか今、苦しみや困難だけでなく、喜びや希望があることも、私たちの間に知らせてください。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。ローマの信徒への手紙12:6〜8、エフェソの信徒への手紙4:10〜16(新共同訳より抜粋)

*当ブログ全体における聖書の引用を適切な範囲内で行うため、後ほど聖書箇所のみ記載し、本文をカットすることがあります。後からご覧になる方は、該当する聖書箇所を日本聖書協会の「聖書本文検索」か、手元に新共同訳聖書がある方はそちらからお読みください。

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Peter HによるPixabayからの画像

メッセージ

6月は「聖霊と伝道」というテーマで聖書研究をしてきましたが、今日でその最後になります。なぜ、この時期に、このテーマで話をしてきたかというと、ちょうど5月にペンテコステを迎えて、イエス様の弟子たちが聖霊を受け、伝道を開始し、各地で教会が建てられたことを記念した後だからです。

 

聖霊について、伝道について考えるとき、やはり、ペンテコステの出来事は欠かせません。この日、イエス様が天へ昇った後、最初に聖霊を受けた弟子たちは、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを中心とする12人、すなわち「使徒」と呼ばれる弟子たちでした。でも、使徒と他の弟子たちはどう違うのか、あまりよく知らない人もいるでしょう。

 

ルカによる福音書や使徒言行録によれば、使徒と呼ばれるのは、イエス様から直接選ばれた人間で、イエス様と一緒に行動し、イエス様が復活した姿を見て、そのことを証しするようになった人たちです。もともとイエス様を信じないで、キリスト者を迫害していたパウロも、復活の主の幻を見て、異邦人伝道へ遣わされる者に選ばれたことから、12人と同じく「使徒」と呼ばれています。

 

使徒を12人に限定するか、パウロを含めた13人とするか、イエス様と行動を共にしたその他の弟子たちも含めるか、多少議論はありますが、基本的に現代では、自分のことを「使徒だ」と自称できる人は存在しません。使徒のことを「特別多くの聖霊を授けられた人」「聖書に記されてない新しい啓示も受けられる人」と考えてしまう人もいますが、そうではありません。

 

使徒は、イエス様が姿を消したあと、「確かにイエス様が復活したこと」「イエス様が再びこの世へやって来ると約束したこと」を他の弟子たちに伝え、イエス様と会ったことがない人たちにも、そのことを継承するために選ばれた人たちです。彼らによって、イエス様を直接見られなかった人たちも、イエス様が教えたことや行った業を信じるようになっていき、それらを伝える聖書が整えられていきました。

 

つまり、聖書によって、イエス様の誕生から復活までを知ることができる現在は、新たに「使徒」が必要とされることはありません。かつて、イエス様に選ばれた使徒たちは、ちゃんとその役割を果たして、イエス様と行動を共にした者の証言を、現代に残しているからです。

 

また、旧約に出てくる「預言者」と呼ばれる人たちも、神の言葉を預かって、人々に伝える役割を持っていました。彼らも、神様と直接会えない人、神様と直接話せない人に、神様から教えられた生き方、神様が行ってきた業を伝え、繰り返し語っていきました。預言者たちの言葉は、なかなか当時の民衆には受け入れられませんでしたが、何代にもわたってその言葉は受け継がれ、整えられ、聖書にまとめられていきました。

 

つまり、聖書によって、神様が預言者に預けた言葉を知ることができる現在は、新たに「預言者」が必要とされることもありません。かつて、神様に遣わされた預言者は、挫折や失敗を経験しながらも、ちゃんとその役割を果たして、神様の求める生き方を現代に伝えているからです。

 

ところが、現代でも「使徒」や「預言者」を自称し、聖書に書かれていないことも、自分が神の啓示を受けたと言って、聖書と同列に扱う人もいます。自分は特別神から聖霊を受けている、大きな権威を持たされていると主張して、信徒をコントロールしたり、高額な献金を要求する人がいます。

 

確かに、聖書には「預言の賜物を受けていれば、信仰に応じて預言し、奉仕の賜物を受けていれば、奉仕に専念しなさい」(ローマ12:6〜7)という言葉や「ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を福音宣教者、ある人を牧者、教師とされた」(エフェソ4:11)という言葉があります。

 

これらを引用して、「自分もその一人だ」と主張されることがありますが、今はそれらの手紙が書かれた頃と違い、イエス様と行動を共にした人は残ってません。その代わり、その時代に証言してきた、使徒や預言者の言葉をまとめた聖書がしっかり残されています。

 

かつて、使徒や預言者が必要とされたのは、「人々を誤りに導こうとする悪賢い人間の、風のように変わりやすい教えに、もてあそばれたり、引き回されたりすること」がないように、証言をきちんと残すためでした。その証言を無視するような、聖書を蔑ろにするような、風のように変わりやすい予言や教えを語る行為は、本来の使徒や預言者の働きではありません。

 

これまでも話してきたように、聖霊の働きは、私たちにイエス様の言葉、イエス様の教え、イエス様の行った業を思い出させ、自分のやろうとしていること、自分の言おうとしていることが、神様から離れてないか、振り返らせてくれるものです。人を操ったり、支配したり、振り回すための道具ではありません。

 

むしろ聖霊は、誰かに苦しめられ、上手くいかず、挫折や失敗に打ちひしがれているところへ、同じように上手くいかず、挫折してきた使徒や預言者を思い出させ、自分も確かに、神様の、イエス様の業に、用いられているんだ……と励ましてくれる存在です。

 

どうぞ、あなたをあなたのままで遣わす、あなたをあなたのままで変化させる、神の偉大な業に信頼しながら、これからも聖書と向き合っていただければ幸いです。「わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです」(エフェソ4:13) 

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(大阪府堺市の堺川尻教会)のために、ミャンマーの人々のために、香港の人々のために、台湾の人々のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆大阪府堺市の堺川尻教会のために祈ります。しばらくの間、教会に集まることができなかった人たちに、顔を合わせて礼拝できる喜びが、豊かにもたらされますように。子どもたちや聖書研究のメンバーも、再び顔を合わせて恵みを分かち合えますように。

◆ミャンマーの人々のために祈ります。クーデターにより、家族と連絡が取れなくなった人たちや、売り買いができなくなった人たちがいます。現地の状況もなかなか詳しく分かりません。どうか今、ミャンマーの一人一人の命を守ってください。

◆香港の人々のために祈ります。様々な人権の制限や、市民の自治が奪われている状況に平和的な解決がもたらされますように。声を挙げにくくなった人、抵抗ができなくなった人に、助ける者、支える者が送られますように。

◆台湾の人々のために祈ります。少数民族に対する迫害や弾圧、人権侵害が速やかに正され、命が守られますように。特に、子どもたちや立場を弱められている人たちの声が、きちんと社会に反映されますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌3番「閉じこもる私たちに」(©️柳本和良)を歌いましょう。オンライン讃美歌の楽譜は、著作者の許可を得て掲載しています。

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主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。主の祈り。

 

天にまします我らの父よ。

願わくは御名をあがめさせたまえ。

御国を来たらせたまえ。

みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。

我らの日用の糧を今日も与えたまえ。

我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。

我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。

国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。

アーメン。

 

報 告

本日も、配信を通して聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の在宅聖研祈祷会は、ライブ配信の奉仕者2名、配信参加者の4名、計6名が出席されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

来週の水曜日から、聖書研究祈祷会も再開します。初めて来る方も大勢が一緒でなければお問い合わせなしで大丈夫です。礼拝は第1・3日曜日と第2・4日曜日に分かれて、半分ずつ集まります。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。