ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『三位一体が分かりません!』 ヨハネによる福音書1:1〜18

聖書研究祈祷会 2021年7月14日


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案 内

華陽教会では、感染症拡大を防ぐため、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の人数調整をした上で、聖書研究祈祷会も短く開いています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の351番「聖なる聖なる」を歌いましょう。諸事情でマスクを外している方は歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

 

◆父・子・聖霊なる私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝致します。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を必要としている人を祝福してください。

◆私たちの神様。1回目のワクチン接種が会衆の6割を超え、来週から再び、みんなで集まる礼拝が始められることを感謝致します。どうか今、接種が可能な人たちで、感染のリスクを減らし、ワクチンを受けられない人たちも、みんなで守ることができますように。

◆私たちの神様。今度の日曜日には、華陽教会で転入会式が行われます。新しく迎える私たちの仲間に、あなたの祝福がありますように。そして、これまで、その人の信仰を支えてくださった教会も、あなたの恵みがありますように。

◆私たちの神様。8月には1名の洗礼式も予定しています。長期間、離れたところから祈りを合わせ、聖書を学び、信仰を養ってきた仲間の渡航を安全に導いてください。そしてこれからも私たちの群れが、広く、優しく、しっかりとつながっていけますように。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。ヨハネによる福音書1:1〜18(新共同訳より抜粋)

*当ブログ全体における聖書の引用を適切な範囲内で行うため、後ほど聖書箇所のみ記載し、本文をカットすることがあります。後からご覧になる方は、該当する聖書箇所を日本聖書協会の「聖書本文検索」か、手元に新共同訳聖書がある方はそちらからお読みください。

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Daniel WankeによるPixabayからの画像

メッセージ

キリスト教の「三位一体」について、理解できない、納得できない……と思った人は少なくないでしょう。ある聖書箇所で、「神は唯一である。ほかに神はない」(マルコ12:32)と言われているように、キリスト教は他の神を認めない唯一神教です。にもかかわらず、信仰告白の文書には「父なる神、子なる神、聖霊なる神」を信じます、と出てきます。

 

唯一の神を信じているはずなのに、まるで神が3人いるみたいです。実際、先ほど読んだヨハネによる福音書の冒頭では、「父なる神」と「独り子である神」の2人が出てきました。実は、聖書の中には「神はお一人である」と書きつつも、父なる神、子なる神、聖霊なる神の3者も出てきます。

 

三位一体とは、この3者が本質を同じくする1者である、という考え方です。3人いるのに1人って、なかなか厄介な話です。もちろん、三位一体という言葉は、聖書に直接出てきませんし、ちょっと苦し紛れの説明にも聞こえます。「三位一体の神を信じる」と言ったとき、何だか矛盾したことを無理やり信じているように感じる人もいるでしょう。

 

でも実は、三位一体より納得しやすい、理解しやすい考え方を唱えた人は、けっこうたくさんいたんです。「子なる神」と言われるキリストは、神ではなく、神の最高の被造物だと説明したり、神が人間のふりをしたのがキリストだと説明したり、信じやすさで言えば三位一体より、よっぽど分かりやすい教えが、繰り返し、繰り返し、説かれてきました。

 

けれども、それらの教えは、神が人間の痛みや苦しみを「味わったふり」をして助け出した、という理解につながってしまうものでした。本当に、私たちが味わっている悩みや葛藤を覚えることなく、感じることなく、人間と神との間に、決定的な隔たりを残したまま、救済の業を行った……という話になるんです。

 

しかし、それでは本当の意味での「救い」にならないと多くの人は考え、神様を、イエス様を、聖霊を、どのように信じるのが正しいか? というテーマについて、誠実に、真剣に、熱心に、議論を積み重ねていきました。古代教会は、みんなが「信じやすさ」を優先することによって、神の救いまで矮小化することを何とか防ごうとしたんです。

 

そこで、教会は激しい論争を繰り広げつつ、5世紀頃までに、世界を創造した「父なる神」と、神から生まれた「子なる神」と、神から人々に送られる「聖霊なる神」が、一つの意志を持ち、同じ本質を持つ、唯一の神である、という三位一体の教義を整えていきました。ようするに、三位一体とは「信じる対象」ではなくて「信じ方」を表しているんです。

 

この「父なる神」「子なる神」「聖霊なる神」の3者が一致する、という考え方は、ヨハネによる福音書によく現れています。先ほど読んだ1章の冒頭では、神様とイエス様の深いつながり、受肉したキリストと人間の密接な結びつきが記されていました。神様が人間に「壁」を作るのではなく「結びつく」様子を見ることができます。

 

イエス様は、世界が創造されるときから神の子として存在し、神によって生まれた者で、この世に送り出され、受肉して人間になりました。こうして「見えない神」から生まれた「見える神」は、人々に自分を通して「父なる神」を示しました。そして、父なる神と一緒に、自分の働きを継続する「感じる神」聖霊を、人々へ送ります。

 

人々は聖霊によって、神様とイエス様を感じ、イエス様を思い起こすことによって、見えない神の存在が示され、神様を信じることによって、新しい生き方へ送り出されていきます。「三位一体の神」とは、神が人間にどう関わって、どのように働きかけているかを示す、複雑な表現なんです。

 

つまり、「三位一体の神を信じる」と言ったとき、私たちは、聖霊によってイエス様と出会い、イエス様によって神様と出会い、その意志と恵みに触れていることを告白するんです。別々の神を一人の神として信じるための方便や辻褄合わせと言うより、私たちが神を信じられるように、神がどのように現れ、働きかけているか説明しているんです。

 

礼拝の中でも、私たちは「見えない神」の言葉を聖書から聞き、「見える神」(キリスト)が制定した「見えるしるし」(聖餐式)にあずかり、「感じる神」(聖霊)から新しく生きる力を受けて、日常へ送り出されていきます。信じない者が信じる者となるように、礼拝の中でも、様々な現れ方、語られ方がされていることを知ることができるしょう。

 

三位一体も、一見、信じるのを難しくさせている教えに見えますが、本当は「信じない者が信じる者となるように」神がどのように現れてきたかを教えている教えだと、知っていただければと多います。どうか、父なる神、子なる神、聖霊なる神の結びつきが、あなたにも豊かに現されますように。 

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(大阪府堺市の希望ヶ丘教会)のために、子どもたちのために、高齢者のために、青年や壮年のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆大阪府堺市の希望ヶ丘教会のために祈ります。幼児から高齢者まで、あるがまま楽しめる場所として教会が用いられますように。新型コロナの感染状況が改善され、楽しい交わりが回復されますように。

◆子どもたちのために祈ります。今年度も楽しみにしていたキャンプや夏祭りなど、いくつかの行事に行けなくなった子どもたちに、新しい形で様々な楽しみが生まれますように。心と体の健康が守られ、健やかに成長が導かれますように。

◆高齢者のために祈ります。諸事情でワクチンが受けられない人や、抵抗力が衰えている人に、あなたのお守りがありますように。みんなが安全に、安心して交流し、支え合う場所が整えられますように。

◆青年や壮年のために祈ります。仕事のこと、家族のこと、友人のこと、恋人のこと、さまざまな問題に悩むとき、あなたの励ましがありますように。一緒に悩み、考え、助けてくれる人が、必要なとき、必要な場所で出会えますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌26番「あなたが共にいること」(©️柳本和良)を歌いましょう。オンライン讃美歌の楽譜は、著作者の許可を得て掲載しています。

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主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。

 

報 告

本日も、配信を通して聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった2名、同時に視聴された3名、計5名が参加されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

先週から、聖書研究祈祷会も再開しています。初めて来る方も一度に大勢でなければ、問い合わせなしで参加できます。日曜礼拝も来週から数カ所に分かれてみんなで集まれます。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。