ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『気が変になった?』 エレミヤ書2:1〜13、マルコによる福音書3:20〜27

日曜礼拝 2022年3月13日


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消 灯

本日は、受難節第2週目の礼拝なので、光や命の象徴として立てられた蝋燭を2本倒し、キリストが受けられた苦しみと、十字架の死を思い起こします。共に今、あなたの労苦と痛みに寄り添う、イエス様の歩みを覚えましょう。

 

案 内

華陽教会では岐阜県の医療提供体制を受けて、会衆が集まる礼拝を休止し、配信等による在宅礼拝に切り替えています。共に今、自宅にいる人も、後から見る人も、聖書の言葉に耳を澄ませ、神の招きにあずかりましょう。

 

前 奏

(*奏楽者は牧師の案内のあと、前奏を弾き始めます。司式者は前奏の終わり頃に講壇へ立ち、会衆を招く準備をします。招詞の聖書箇所は読み上げる必要はありません。網かけ部分は司会が読むところ、四角部分は会衆が立つところです。(かっこ)は会衆の様子を見て省けるときは省きます。)

 

招 詞

主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。呼び求めよ、近くにいますうちに。神に逆らう者はその道を離れ/悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。(イザヤ書55:6、7b)

 

讃美歌

マスクをしたままで、旧讃美歌526番「主よ、わが主よ、あいの主よ」を歌います。54年版讃美歌をお持ちでない方は、そのままお聞きいただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

(ご着席ください)共に祈りを合わせましょう。

 

◆愛と平和の源である私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、日曜日の礼拝を始めることができ、感謝致します。どうか今、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を受けようとしている人を祝福してください。

◆私たちの神様。岐阜県の医療提供体制の状況を踏まえ、華陽教会も21日まで、配信等による在宅礼拝を延長することになりました。どうか今、ここに集まることのできない教会員、新来者、会衆の一人一人を励ましてください。

◆私たちの神様。ロシアとウクライナでは、今も激しい戦闘が続いています。原子力発電所への攻撃や制圧、電力や信号の途絶なども起こっています。どうか今、一刻も早く安全が確保され、市民の生活が取り戻せますように。

◆私たちの神様。国内でも、核の保有や共有、改憲の話が再燃しています。危機感や不安が膨らんで、対立をあおる人たちも出ています。どうか今、痛みの共有を大切にしつつ、感情に支配されないように、私たちの言動を導いてください。

◆人と人との間におられる、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖 書

聖書の言葉を聞きましょう。エレミヤ書2:1〜13、マルコによる福音書3:20〜27(新共同訳より抜粋)

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。交読詩編も同様に後からカットしています。

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交読文

詩編の言葉を読み交わしましょう。詩編18:2〜7(新共同訳交読詩編より抜粋)

『交読詩編』か『讃美歌21』の後ろの方をご覧ください。司会と会衆で交互に読んでいきますので、皆さんは一段下がったところと太字のところをお読みください。(ご着席のままで大丈夫です)

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の392番「主の強い御腕よ」を歌います。讃美歌21をお持ちでない方は、そのままお聞きいただき、心で賛美を合わせましょう。

 

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Gino CrescoliによるPixabayからの画像

メッセージ

「あの男は気が変になっている」「(悪霊の頭)ベルゼブルに取りつかれている」……こういう言葉は、現代でもよく耳にします。Twitterで、クリスチャンを数十人もフォローすれば、数ヶ月に一度は、「あの人は悪霊につかれている」「悪魔にそそのかされている」という呟きを見ることができるでしょう。実際、私のタイムラインはそんな感じです。

 

たとえば、児童に対する性的虐待をした聖職者、不貞行為を告発されたクリスチャン、金銭トラブルに関与した役員、メシアの生まれ変わりを自称しているカルトリーダー……彼らが従っているのは、聖霊ではなく悪霊だ、サタンに支配され、悪魔の手先になっている……そんなふうに言われることは多いですし、確かにそうかも、と思えます。

 

誰だって、優しくて誠実な人の言動には聖霊が、怖くて不実な人の言動には、悪霊が働いていると思いたいです。だって、聖霊を受けているのに、悪いことをしてしまったり、神様に背く行いが出てきたら、都合が良くありません。「悪霊につかれていなければ、私は大丈夫」と思えないからです。

 

でも、実際のところ、聖書には、悪霊がついていないのに、神様の言うことを聞かなかったり、悪霊ではなく聖霊を受けたはずなのに、神様に背いてしまったり、そういう人がたくさん出てきます。

 

たとえば、聖霊に満たされて敵を打ち破ったダビデ王が、悪霊に悩まされて気が変になったサウルのように、身勝手な振る舞いへ陥ったり……聖霊を受けて各地で宣教を始めたペトロが、神様の清めたものを「食べられません」と答えたり……悪魔や悪霊の有無に関係なく、けっこう色んな人たちが、神様の意志に従わない、責めを負う罪を犯します。

 

結局、こちらが許容できない行為、間違って見える振る舞いをする者に、サタンの力が働いているのか、そうでないのか、私たちには分かりません。むしろ、自分の嫌悪するもの、受容したくないものは、あれもこれも、悪霊から引き起こされている……と思いたくなる誘惑が、かえって私たちを蝕んできます。

 

それこそ、イエス様の語ること、行うことを「悪霊の仕業だ」と騒ぎ立てた人たちのように、私たちも、自分が理解できないもの、許容できないものを、簡単に、悪霊のカテゴリーへ入れてしまいます。

 

たとえば、LGBTを嫌悪する人たちが、理解を示す人たちへ「悪霊にそそのかされている」と訴えたり、「どんな病気も祈れば治る」と主張する人が、その危うさを指摘する人へ「奇跡を邪魔するサタンの手先」と訴えたり……自分にとって都合の悪いものは、悪霊の仕業に見えてくる、嫌いな人には悪魔がついているように見えてくる……それが人間です。

 

イエス様は、自分を指して「あの男はベルゼブルに取りつかれている」「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言ってきた者に対し、「聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う」と語っています。たぶん、彼らは自分が聖霊を冒涜したとは、思っていなかったでしょう。なにせ、一言も聖霊を悪くは言ってません。

 

しかし、人の目には見えないものを、悪霊を、都合よく持ち出して、自分が嫌悪する者を攻撃したとき、イエス様は、それこそが聖霊を冒涜する行為なんだと、厳しく戒められました。ついつい、私たちもやっちゃいます。他国の政治家を、メディアの人間を、立場の違う者を、聖霊も悪霊も見えてないのに、気が変になった、サタンの手先と訴えます。

 

そのときこそ、私たちは自分を省みなければなりません。安易に「悪霊」を持ち出す自分自身、誘惑に支配されてないか? 危機感や嫌悪感に流されて、ますます対立をあおってないか? 相手の間違いに囚われて、自分の歪みを見過ごしてないか? イエス様の呼びかけは、誰もが、あらゆる扇動に参加しやすい、この時代にも届いています。

 

誰かを取り押さえようとして、誰かが悪魔に見えてくる、自分自身を見つめましょう。様々な歪みを抱えて生きる私たちに、イエス様はどこまでも付き合って、気づきを促してくださいます。40年間、荒れ野をさまよい、目的地にたどり着かない人間も、見捨てず側にいてくれます。共に、神様の助けを求めて祈りましょう。

 

讃美歌

オンライン賛美歌16番「苦難のはざまから」(©︎柳本和良)を歌います。オンライン賛美歌の楽譜は、著作者の許可を得て掲載しています。

 

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使徒信条

教会の信仰を告白しましょう。「使徒信条」讃美歌21の93-4Aです。(オンライン賛美歌の裏面をご覧ください)

 

使徒信条93-4A

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがへり、天に昇り、全能の父なる神の右に坐したまへり、かしこより来りて、生ける者と死ねる者とを審きたまはん。我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交はり、罪の赦し、身体のよみがへり、永遠の生命を信ず。アーメン。(*着席のジェスチャー)


使徒信条93-4B

わたしは、天地の造り主、全能の父である神を信じます。わたしはそのひとり子、わたしたちの主、イエス・キリストを信じます。主は聖霊によってやどり、おとめマリヤから生まれ、ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架につけられ、死んで葬られ、よみにくだり、三日目に死人のうちからよみがえり、天にのぼられました。そして全能の父である神の右に座しておられます。そこからこられて、生きている者と死んでいる者とをさばかれます。わたしは聖霊を信じます。きよい公同の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、からだのよみがえり、永遠のいのちを信じます。アーメン。

 

紹 介

本日も、初めて配信を見に来た方、久しぶりに配信を見られた方と、一緒に礼拝にあずかれたことを感謝致します。互いに顔を合わせることはできませんが、礼拝を通してつながっている一人一人に、神様の祝福がありますように。

 

とりなし

共に、神様から委ねられた、とりなしの務めを果たしましょう。オンライン讃美歌の後ろから2ページ目をご覧ください。

 

司会:神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

司会:世界の国民と政府のために祈ります。

会衆:主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

司会:世界に広がる全ての教会のために祈ります。

会衆:主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

司会:教会員のために祈ります。

会衆:主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。

司会:今日ここに出席できなかった人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、ここに見えない人たちを、あなたが癒し回復してください。

司会:身近な人のために祈ります。

会衆:主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

司会:幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。

会衆:主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

司会:苦しんでいる人のために祈ります。

会衆:主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

司会:今も生きておられ、とりなしてくださる方、主イエス・キリストのお名前によって祈ります。

一同:アーメン。

 

主の祈り

共に、イエス様が教えられた『主の祈り』を祈りましょう。讃美歌21の93-5A。(オンライン讃美歌の裏面をご覧ください)

 

主の祈り93-5A

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。


日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳

天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。

 

献 金

感謝の献げ物として献金をします。礼拝のライブ配信に参加されている方は、また後日、教会に来られたときにおささげください。

 

献金の祈り(例)

主なる神よ、私たちが持っているものはみな、あなたからいただいたものです。今、私自身の生き方をあなたの御用のためにおささげします。どうか、ここにささげた献金もあなたの求めていることに用いてください。主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、献金の讃美歌512番「主よ、献げます」の2節を歌いましょう。

 

讃美歌

頌栄29番「天のみ民も」を歌いましょう。

 

祝 福

共に、神様の祝福を受けましょう。

 

派 遣

平和のうちに、この世へと出て行きなさい。主なる神に仕え、隣人を愛し、主なる神を愛し、隣人に仕えなさい。(『讃美歌21』93-6 ⑥より)

 

祝 福

どうか、平和の主御自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和をお与えくださるように。主があなたがた一同と共におられるように。(テサロニケの信徒への手紙二3:16)

 

報 告

本日も、配信を通して日曜礼拝にご参加くださり、ありがとうございます。先週の在宅礼拝は、ライブ配信の奉仕者 名、同時に視聴された 名、計 名が参加されました。後から配信や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝いたします。

 

教会に集まる礼拝の再開は、まん延防止等重点措置の解除を目安に役員会で検討し、決定次第、教会員への連絡網とホームページ、各SNSの公式アカウントでお知らせします。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。