聖書研究祈祷会 2021年6月2日
案 内
華陽教会では、岐阜県の医療提供体制を踏まえて、会堂に集まる集会を休止し、配信等による在宅聖研を行っています。共に今、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。
讃美歌
讃美歌21の54番「聖霊みちびく神のことばは」を歌いましょう。讃美歌21をお持ちでない方は、そのままお聞きいただき、心で賛美をささげましょう。
お祈り
ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。
◆父・子・聖霊なる三位一体の主なる神様。今日もまた、あなたによって守られて在宅聖研祈祷会を開くことができ感謝いたします。どうか今、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。
◆私たちの神様。岐阜市独自の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の延長を受けて、華陽教会も6月20日まで在宅礼拝が延長されることになりました。どうか今、少しでも医療提供体制が回復し、再び集まる日を迎えることができますように。
◆私たちの神様。先日の日曜日は、お話しされる予定だった岐阜ダルクの皆さんも急遽来ることができなくなりましたが、依存症からの回復を目指す一人一人が、この間も必要な自信と力を育むことができますように、助けてください。
◆私たちの神様。心がつぶされ、体が痛み、魂が悲鳴をあげている人に、あなたの慈しみがありますように。声にならない声を聞き、全てを知ってくださるあなたが、必要なとき必要なところへ、私たちをつながらせてください。
◆私たちを送り出される、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
聖書朗読
聖書の言葉を聞きましょう。ヨハネによる福音書14:25〜26、使徒言行録2:1〜6(新共同訳より抜粋)
*当ブログ全体における聖書の引用を適切な範囲内で行うため、後ほど聖書箇所のみ記載し、本文をカットすることがあります。後からご覧になる方は、該当する聖書箇所を日本聖書協会の「聖書本文検索」か、手元に新共同訳聖書がある方はそちらからお読みください。 |
メッセージ
先日、イエス様の弟子たちが聖霊を受け、各地へ伝道を開始して、教会が次々と建てられていったペンテコステを迎えましたが、6月の聖書研究祈祷会は、この「聖霊」と「伝道」をテーマにメッセージをしていきます。ただ、聖霊が未だに理解できない、どう考えたらいいか分からない、という人は長年教会に通っている方でも多いと思います。
皆さんは、聖霊と聞くとどんなイメージがあるでしょう? よく、大学のキリスト教概論で教えていると、精神の「精」に「霊」と書いて「精霊」というふうに間違う学生が多いですが、キリスト教で「せいれい」と言うときは「聖なる霊」と書いて聖霊です。超自然的な力や魂とは異なり、神様から送られる、神と一致した霊のこと。
神様の求めていることを伝えたり、神様の望んでいることを行わせたり、人々の生き方を新しくする、特別な力を与える霊です。旧約聖書の中にも、神様から特別な使命に遣わされた人たちが、挫けたときや弱ったときに、聖霊によって力づけられたり、今までできなかった行動を始めたりする様子が描かれています。
新約聖書の中では、やっぱりペンテコステの出来事が、有名な聖霊に関するエピソードでしょう。先ほど読んだ使徒言行録2章では、イエス様の弟子たちが聖霊に満たされ、突然、他の国々の言葉で話し出したことが書かれています。いきなり外国の言葉が話せるようになるなんて、羨ましいですよね? ある種の超能力みたいです。
もしかしたら、聖霊のことを「選ばれた人間に与えられる、特殊な力のようなもの」と理解する人が多いかもしれません。聖霊を受けたら、やる気に満ち溢れ、周りを驚かすような行動ができ、ちょっと上の段階にいける……みたいな印象があるかもしれません。
でも実際には、聖霊を受けたとされる人たちが、常にやる気に満ちていたわけではないことも、何度も挫け、トラブルに遭ったことも、周りが期待する姿を見せられなかったことも、聖書は赤裸々に記しています。どうやら聖霊って、人間をスーパーマンに変えてくれる、便利な力ではないようです。
聖書の中で「神の霊」「聖霊」を受けた人たちのほとんどは、金持ちになることも、屈強な精神を得ることもありません。旧約の預言者も、新約の弟子たちも、生涯貧しい生活を送り、病気にもなります。パウロは晩年、祈っても治らない病気にかかり、他の弟子たちは投獄され、預言者は自分の境遇を嘆きます。
そういえば、神の子であるイエス様も、洗礼を受けて聖霊に満たされた直後、いきなり悪魔の誘惑に遭いました。しかも、40日間荒れ野を好き放題連れ回される……どうせなら、聖霊の力で瞬く間に悪魔を滅ぼしてほしいですよね? でも、イエス様を満たした聖霊は、一瞬で悪魔をやっつけてはくれません。
何だか、聖霊を受けても、そんなにメリットがない気もしてきました……聖霊って、あなたを理想の姿にしてくれる、あなたを超人にしてくれる、ありがたい存在ではないようです。むしろ、イエス様が受けた困難や、イエス様の弟子たちが出会った苦しみを、ことごとく思い出させてきます。
そう、聖霊って私たちに、イエス様の生涯、イエス様の教えを思い起こさせる霊なんです。必ずしも、今どうしたらいいか、何をすればいいか、ストレートに教えてくれるわけじゃありません。神に遣わされた人が、どういうふうに悩み、どういう教えを受け、どういうふうに葛藤してきたかを振り返らせる。
イエス様も言っていました。「しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる」……あの日、挫けた預言者を休ませた神。あの日、黙っていた弟子に語らせた神。あの日、誘惑に遭う独り子を守った神。その一つ一つを思い出させ、あなたが悩み、葛藤する今も、わたしはあなたと共にいる……と訴えてくる。
きっと、「聖霊を受けたことがない」「聖霊を感じたことがない」と言う人は、聖霊を受けたら、理想的な自分になれると思っていますよね? はっきりとその力が感じられると思っていますよね? でも、弟子たちが復活したイエス様に出会っても、なかなか気づかなかったように、私たちも自分に注がれた聖霊になかなか気づくことができません。
以前、色んな人から相談を受けることがありました。牧師をしているので、深刻な問題や悩みが語られます。「死ぬのが怖い」「家族と別れた」「病気が治らない」……たいてい、何と言ったらいいか分かりません。気の利いた言葉なんて出てきません。切実に神様へ祈ります。
「神様、今こそ、ペンテコステに弟子たちを語らせた聖霊を私に送ってください」「今語るべきことを教える霊を送ってください」「どうしたらいいか示してください」しかし、この呼びかけに答えてもらえたことは、残念ながらほぼありません。私は相談が来る度に、深刻な悩みを聞く度に「何で聖霊は来てくれないんだ!」と心の中で嘆きます。
しかし、ものすごい勢いで、あるいは絞り出すように、あるいは流れ出すように、あるいは重ねていくように、私へ話す相談者は、私が何も言えないうちに、たいした言葉も出せないうちに、「今日は聞いてくれてありがとうございました」と言って、何かをもらったように帰っていきます。
こっちはただ聞いていただけなのに……そのとき、ふと気づくんです。聖霊は確かに送られていた……相談を受ける私にではなく、悩みを話すあの人に。今まで沈黙していたあの人に、誰に聞いて貰えばいいか分からなかったあの人に、震え声でたくさん話したあの人に、神様は聖霊を送って語らせていた。
聖霊は、人と人とをつなげる霊です。挫けた者、弱った者、傷ついた者に言葉を与え、今まで口にできなかったことを語らせます。私はたくさん話を聞いた後で、誰かを見送り、または電話を切った後で、ハッと気づかされるんです。
復活の主に気づかなかった弟子たちのように、私も気づかなかったけど、今、私に語っていたのは、あのとき十字架にかかったキリストだったと……神様と、イエス様と、同じ意志を持つ聖霊だったと……あの人に語らせた聖霊に、今私は出会っていた……きっと、本人もいつか気づくでしょう。自分の中に働いている、自分自身を押し出している、聖霊の送り主なる神様に。
とりなし
共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(大阪府豊中市の在日大韓基督教会豊中第一復興教会)のために、在日大韓基督教会岐阜教会のために、在日大韓基督教会大垣教会のために、UCCP-J美濃加茂教会・安城教会のために、祈りを合わせましょう。
◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。
◆大阪府豊中市の在日大韓基督教会豊中第一復興教会のために祈ります。この教会に集う青年たちが支えられ、豊かな人生を送れますように。礼拝にオンラインで参加している人たちが祝福され、それぞれの場で、あなたの愛を分かち合えますように。
◆在日大韓基督教会岐阜教会のために祈ります。しばらく、岐阜地区で顔を合わせることができてない、岐阜教会の方々が、今も元気でありますように。困っていること、悩んでいることに必要な助けが与えられますように。
◆在日大韓基督教会大垣教会のために祈ります。信徒と牧師、一人一人の心身が守られ、コロナ禍の中でも恵みと希望を豊かに受け取ることができますように。課題や問題が出てきたとき、解決する知恵と仲間が与えられますように。
◆UCCP-J美濃加茂教会・安城教会のために祈ります。それぞれの教会に集まるフィリピン人、その他の国の方々に、あなたの祝福がありますように。医療、不動産、法律に関する様々な悩みが解決するように、新しい道が開かれますように。
◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
讃美歌
マスクをしたままで、オンライン賛美歌「閉じこもる私たちに」(©️柳本和良)を歌いましょう。オンライン讃美歌の楽譜は、著作者の許可を得て掲載しています。
主の祈り
共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。主の祈り。
天にまします我らの父よ。
ねがわくはみ名をあがめさせたまえ。み国を来らせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を、今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを 我らが赦すごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず、悪より救い出したまえ。
国と力と栄えとは 限りなくなんじのものなればなり。アーメン。
報 告
本日も、配信を通して聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の在宅聖研祈祷会は、ライブ配信の奉仕者2名、配信参加者の2名、計4名が出席されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。
来週の水曜日も配信等による在宅聖研を行います。教会に集まる集会の再開は、非常事態宣言の解除を目安に、2週間毎に検討し、教会員への連絡網とホームページ等でお知らせします。また日曜日まで、皆さん一人一人に神様の平和がありますように。