ぼく牧師 〜聖書研究・礼拝メッセージ、ときどき雑談〜

*聖書の引用は特別記載がない限り、日本聖書協会『聖書 新共同訳』 1987,1988 から引用しています。

『何の権威で? 誰の許しで?』 使徒言行録4:1〜13

聖書研究祈祷会 2022年6月22日


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案 内

華陽教会では、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避の座席調整をした上で、聖書研究祈祷会に集まっています。共に今、教会にいる人も、配信を見ている人も、互いのために祈りを合わせ、聖書の言葉を味わいましょう。

 

讃美歌

マスクをしたままで、讃美歌21の446番「主が手をとって起こせば」を歌います。諸事情でマスクを外している方は、歌うのをご遠慮いただき、心で賛美を合わせましょう。

 

お祈り

ひと言お祈りをします。共に心を合わせましょう。

 

◆愛と力の源である私たちの神様。今日もまた、あなたによって守られて、聖書研究祈祷会を始めることができ、感謝いたします。どうか今、ここに集まった人たちと、自宅で、施設で、職場で、屋外で、あなたの言葉を求めている人を導いてください。

◆私たちの神様。岐阜県の病状使用率が20%を切り、今週から、3回目のワクチン接種を受けていない人も、礼拝へ集まれるようになりました。どうか今、ここへ来られる一人一人の健康を守り、自宅から参加する人たちにも、あなたの平和がありますように。

◆私たちの神様。急激な気温の変化で体を壊したり、熱中症や熱射病になりやすい時期となりました。どうか今、小さい子たちや高齢の方々が守られ、弱っている人、衰えている人にあなたの支えがありますように。

◆私たちの神様。各地で起こっている災害や戦争に、あなたの助けがもたらされますように。どうか今、必要な知恵と力がもたらされ、差別や偏見から解放され、共に支え合う生き方ができるように、私たちみんなを導いてください。

◆私たちを支え、導き、送り出すイエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

聖書朗読

聖書の言葉を聞きましょう。使徒言行録4:1〜13の新共同訳と聖書協会共同訳を朗読します。

*日本聖書協会の「ホームページ等への聖書の引用について」に基づき、聖書の引用を適切な範囲内で行うため、配信終了後に聖書箇所のみ記載し、本文をカットしています。該当する聖書箇所を「聖書本文検索」で「書名」と「章」まで入力し、「節」入力を省略すれば、章全体を参照できます。

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Sasin TipchaiによるPixabayからの画像

メッセージ

エルサレムの議会で行われた、ペトロとヨハネに対する取り調べは、イエス様の弟子たちが、議員、長老、律法学者、祭司たちに立ち向かった「戦い」である……そのように捉える人が、多いかと思います。実際2人は、復活を信じないサドカイ派や、神殿の権力者たちに対し、大胆な態度で力強く訴えます。

 

私たちと一緒にいる、もともと足の不自由だった人を癒やしたのは、あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させた、イエス・キリストの力です……自分たちを捕らえた者に対し、真っ向からぶつかっていく言葉です。聖霊によって力を受けたペトロが勝利し、ひと言も言い返せない議員たちが敗北する。そんなシーンに見てきます。

 

おそらく、この場面を、イエス様と祭司長たちの戦いや、イエス様が敵に捕まったシーンと重ねて読まれた人も多いでしょう。きっと、イエス様を信じる人が勝利して、イエス様を信じない人が敗北する話だと、受け取る人が多いでしょう……でも、よく見るとこの場面、イエス様が敵に捕まって、敵に拒まれたシーンとは、色々と様子が違っています。

 

たとえば、イエス様が捕ったときは、翌日まで待たず、夜中のうちに取り調べが行われてしまいますが、ペトロとヨハネが捕まったときは、ちゃんと翌日まで待って、十分な時間を確保して、手続きに沿った取り調べが行われます。イエス様が捕まったときは、死刑にするための誘導尋問が行われますが、2人が捕まったときは、きちんと言い分を聞くための尋問が行われます。

 

本当は、サドカイ派の人たちが否定したい、復活については突っ込まれず、代わりに、ペトロがみんなに伝えたい、イエス・キリストの権威について、イエス・キリストの名について、正面から語る機会を与えられます。不思議なことに、弟子たちを尋問する人々は彼らを非難するために捕まえたのに、なぜか知らず知らずのうちに、福音を聞くための、イエス様を知るための問いかけをしています。

 

この事件って本当に、イエス様の仲間たちが、イエス様の敵に勝利する、やっつける話なんだろうか?……そう思い始めたところで、あるシーンを思い出す言葉が並んでいることに気がつきます。エルサレムに集まっている人々、彼らの真ん中に立つ弟子たち、そして、復活という言葉……かつて、エルサレムの家に集まっていた弟子たちに、復活したイエス様が訪れて、真ん中に立たれたあのシーン。

 

何の権威で、だれの名によって、このような奇跡が行われたのか?……神様の業を目の当たりにした生徒に対する教師のように、弟子たちは答え始めます。自分たちの信じる、イエス・キリストの権威について、イエス・キリストの名について……エルサレムの議場は、いつの間にか「教会」となり、彼らに対する尋問は、いつの間にか「宣教」になっています。

 

そう、このシーンは、イエス様を信じる者が、信じない者をやっつけた、敵を倒したシーンではないんです。むしろ、信じない者を信じる者に、敵を迎えるために来たシーンなんです。かつて、復活を信じなかった自分たちに、イエス様が現れてくださったように、今度は自分たちが、信じない者をとりなします。この方の名によって救われなさい、この方と出会って生きなさい、と。

 

この取り調べは、ちょうど、ペトロとヨハネの話を聞いて、男だけで5千人ほどの人たちが、信じるようになった後、行われました。5千人の人たちに、福音が、イエス様の教えと業が、分けられた……かつて、山上の説教を聞いていた5千人の人々に、イエス様がパンと魚を分けられた、あの出来事を思い出します。

 

使徒言行録と同じ著者が書いたとされる、ルカによる福音書では、まさに、5千人の人たちへ奇跡がもたらされた後、ペトロの信仰告白が行われます。「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と尋ねるイエス様に、「神からのメシア(救い主)です」と答えたペトロの返事……あの時と同じように、イエス様が何者かをペトロは語り、自分を捕えた議員、長老、律法学者に期待します。民全体に告白の返事を求めます。

 

十字架につけられて殺された、ナザレの人、イエス・キリストこそ、神が死者の中から復活させられた救い主、メシアであると……今日、私たちも、自分を尋問する人たちに、あなたは何を信じているのか? 何によって生きているのか? と首を傾げる人たちに、救いを知らせることが促されます。その家にいる人、その議場にいる人は、キリストを拒む敵ではなく、キリストが真ん中に立って会いに来た、あなたの兄弟、姉妹なんです。

 

あなたとあなたを連れてきた人に、私を引っ張り出した人に、平和がありますように。

 

とりなし

共に、神様から与えられたとりなしの務めを果たしましょう。本日は『信徒の友』の「日毎の糧」で紹介されている(神奈川県横須賀市の武蔵野横須賀伝道所)のために、身体障がい者のために、精神障がい者のために、発達障がい者のために、祈りを合わせましょう。

 

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、私たちがささげる祈りをお聞きください。

◆神奈川県横須賀市の武蔵野横須賀伝道所のために祈ります。創立40周年を迎えるこの教会に、あなたの祝福がありますように。地域に仕え、あなたの愛と恵みを伝えていけますように。毎週の祈祷会と教会学校が再開できますように。

◆身体障がい者のために祈ります。事故や生まれつきの障害によって、困難を覚えている人に、あなたの慈しみがありますように。特に、これからどう生きていけばいいか分からない人に、新しい発見と喜びがもたらされますように。

◆精神障がい者のために祈ります。それぞれの生きにくさを抱える人たちに、あなたのお支えがありますように。自立のために必要な依存先を適切に広げていくことができますように。健全な自尊心を積み重ねることができますように。

◆発達障がい者のために祈ります。それぞれの特性が正しく理解され、二次障害から守られて、毎日が生きやすくなりますように。当事者、身内、支援者の関係が整えられ、孤独や支配から解放されますように。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

 

讃美歌

マスクをしたままで、オンライン賛美歌23番「わたしの口は絶えず歌う」(©️柳本和良)を歌います。

 

 

主の祈り

共に、イエス様が弟子たちに教えられた最も基本的な祈りを祈りましょう。讃美歌21の93-5Aです。主の祈り。

 

主の祈り93-5A

天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、悪より救いだしたまえ。
国と力と栄えとは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン。


日本聖公会/ローマ・カトリック教会共通口語訳

天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を、今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン。

 

報 告

本日も、聖書研究祈祷会にご参加くださり、ありがとうございます。先週の聖書研究祈祷会は、教会に集まった4名、同時に視聴された3名、計7名が参加されました。後から動画や原稿を見て、祈りを合わせてくださった方も感謝致します。

 

岐阜県の病床使用率が20%を切ったことを受けて、今週から3回目のワクチン接種を受けてない人も、全ての人が、礼拝や聖書研究祈祷会に集まれるようにしています。また、今週から、水曜日の聖書研究祈祷会も、2階集会室での分かち合いを再開します。

 

聖餐式、愛餐式の再開については、7月に入るまで感染動向の様子を見ながら判断し、追ってアナウンスします。引き続き、マスク・消毒・換気・加湿・三密回避などの感染症対策にご協力ください。また日曜日まで、皆さん一人一人に、神様の平和がありますように。